ワールドカップロシア大会は、フランスが試合巧者のクロアチアを4-2で破り、20年ぶり2度目の優勝を果たして幕を閉じた。
今大会は優勝候補と言われた強豪国の多くが苦戦した中で、フランスは若いながらチームにまとまりがあり、一番安定した戦いを続けていた。終わってみれば、当然の優勝といえる。
一方で優勝候補の最右翼と思われたドイツがまさかのグループリーグ敗退。イタリアとスペインが相次ぎ、優勝を果たした次の大会でリーグ戦敗退を喫していたが、まさか王者ドイツに同じことが起きるとは思いもよらなかった。あのドイツでも慢心すると足をすくわれることがあるのだ。
ただ後から考えると、今回のドイツ代表には今までのチームには必ず存在していた強力なリーダーが不在だったような気がする。主将のノイアーは怪我から復帰したばかりで、ほとんどぶっつけ本番でワールドカップに臨んだため、あまり余裕が無かったのかもしれない。あと、トルコ移民系の選手の行動が批判されていたが、チーム内にも微妙な空気が流れていて、必ずしも一枚岩とは言えなかったのではないだろうか。
アルゼンチンのメッシも、前大会準優勝の雪辱を果たせずに、最後になるだろう舞台から去って行った。だがメッシが充分な活躍を見せるには、FCバルセロナとアルゼンチン代表チームではあまりにも違い過ぎる。
代表チームは前線に選手が揃っているものの、後ろからメッシをサポート出来る選手がいなかった。かつてのアルゼンチンには、マラドーナは別格としてもレドンドやベロンやリケルメといった優れたパスの出し手がいたのだ。だがこのチームに優れたパサーが存在しなかったのは、メッシにもアルゼンチンにも不幸だった。
今大会のブラジルは、最近の中ではまとまったチームだと思ったが、やはり優勝するにはもう一つ足りなかったのだろう。今や万年優勝候補に終わっている。