優勝国フランスの軌道

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今大会の優勝国フランスは、サッカー強豪国の中では一番浮き沈みの激しさを感じさせる国である。それは個人主義的な国民性に加えて、移民系の選手も多く、そういった選手たちをまとめるのが難しいという事情が関係しているのだろう。その浮き沈みぶりが面白いので、ここに紹介してみたい。

1980年代に将軍プラティニら黄金の中盤の活躍で、欧州選手権を初制覇するなど最盛期を築くが、プラティニ引退後2大会連続してワールドカップ出場を逃すなどチームは低迷した。特に93年のアメリカ大会地区予選では最終戦のロスタイムに失点し、本大会出場を逃すという悲劇が起きている。ちなみに日本も同じくらいの時期に、ドーハの悲劇を経験している。


地元で開催されるワールドカップ98年大会に向け、代表チームを立て直すべくエメ・ジャケが監督に就任。カントナやパパンなどスター選手を代表から外し、若手のジダンを攻撃の中心に抜擢した。大会が始まると、攻撃陣の薄さからその実力を不安視されるも、CBのブランやデサイー・キャプテンのデシャンなどを配した守備陣は鉄壁で、勝ち進む間に若手攻撃陣のアンリやトレゼゲらも活躍しだした。

決勝戦では守備の要ブランの出場停止もありブラジル有利と予想されたが、ジダンが2発のヘディングゴールを決める。相手エースのロナウドも不調で結局3-0と圧倒し、念願の初優勝を果たした。

ジダン・アンリを中心としたフランス代表は2000年の欧州選手権も制し、黄金期を築く。02年ワールドカップ日韓大会も優勝候補の筆頭と目されるが、大会直前にジダンが負傷。歯車が狂ったチームはアンリも不調になり、グループリーグで1得点も奪うこと無く敗退した。04年の欧州選手権でも優勝を果たせずジダンら主力選手が引退を表明。ドメネクが新監督に就任するとチームは迷走し始めた。

06年ドイツ大会予選でフランスは予選敗退の危機に陥る。そのため、ジダンら引退した黄金期の選手が代表復帰。安定を取り戻したチームは予選突破を果たし、本大会でも苦戦しながらリベリーの台頭もあり決勝戦へと進んだ。しかし、決勝のイタリア戦で挑発に乗ったジダンが、相手選手に頭突きをみまって一発退場。

チームはPK戦で敗れフランスは準優勝に終わり、会場を去ったジダンはそのまま代表引退したが、なぜか手腕と人格を疑問視された変人のドメネク監督は続投が決まった。

変人ドメネク監督のもと、フランス代表は相変わらず迷走を続ける。10年南アフリカ大会予選も大苦戦。ワールドカップ出場を懸けたアイルランドとのプレーオフでアンリの疑惑のハンドもありながら、なんとか本大会出場をはたす。しかし、監督と選手との不信感は募るばかりで、グループリーグでもチームの戦いは精彩を欠いていた。

ついに監督のやり方に反発した選手たちが練習をボイコットする事件が起き、チームは崩壊。グループリーグ最下位に終わっただけでなく、一部主力選手の勝手な振る舞いも批判され、国民の大ヒンシュクを買った。

大会終了後、地に落ちた代表チームの権威を回復すべく、ローラン・ブランを経て2012年に黄金期のキャプテンであるディディエ・デシャンが監督に就任。ポグバやバランなど若手を抜擢する一方、ベンゼマやナスリなど規律を乱すような選手を外していった。

14年ブラジル大会では準々決勝で優勝国ドイツに敗れたが、16年欧州選手権では準優勝。18年ロシア大会では若いチームをまとめ上げ優勝候補が次々に波乱の敗退をする中、グリーズマンやエムバペの活躍と堅実な守備で安定した戦いを続け決勝へ進出。ついに2度目の優勝を果たす。

以上のようにフランスは常に優秀な選手が現れるのだが、我が儘な選手も多く内紛が起こりやすい。勝てるチームをつくるには、統率力を持った強い指導者が必要なようだ。デシャン体制が続くかどうか、注目していきたい。

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