「透明なゆりかご」最終回 7日間の命

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産婦人科病院の現場を描いたドラマ

NHKドラマ10『透明なゆりかご』は産婦人科病院の現場を描いたドラマだ。産科は単に赤ちゃんを産むだけの場所ではなく、時に命の選択を迫られる場所でもある。

最終回は心臓に問題を抱えた胎児を、治療に望みを託して出産するか母体の負担を考え中絶するか、夫婦に決断が迫られる。もちろん、その選択に正解はない。

このドラマは命の現場での厳しい現実が描かれ、ときに辛い結果に終わることもある。その結末に気分が沈むときもあるが、決して暗い物語ではない。全ての命の結果に意味を見いだそうとする、希望の物語なのだ。その希望の象徴が、主人公の青田アオイだろう。

清原果耶の確かな演技

時にデリケートな問題を扱うこのドラマで、誰が主役を務めるかは重要だ。清原果耶の演技は、主人公青田アオイのひたむきさ、素直さをそのまま表わしていたと思う。その主人公の個性が物語に希望をもたらしているのだ。清原果耶はまだ16歳の若さながら確かなものを持つ演技派の女優だ。その視線の力強さには引きつけられてしまうし、語らなくても伝えられる表情が自然だ。

選択を迫られた夫婦は中絶も考えるが、お腹の子に母性を呼び起こされた妊婦は決断を迷う。出産後の治療に望みを託す方法もあったが、夫婦が選んだのは産んで赤ちゃんを苦しませずに看取る道だった。

生まれてきた赤ちゃんは両親に抱かれ母乳を含むと、使命を終えたように7日間の命を終える。その短い命にも理由があるのなら、選択は間違いではなかったのだろう。

産科にあるのは望まれて生まれた命ばかりではない。望まれても生まれなかった命や望まれずに生まれた命、人間の形にさえなれずに消えた命もある。この日も瓶に閉じ込められた魂たちが、アオイによって送り出される。だがこの子たちにも意味があり、いつの日か母親に選ばれるのを待っているのかもしれない。

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