貴乃花親方相撲界引退 不器用さも横綱級

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元横綱・一代年寄の貴乃花親方が相撲協会に退職届を提出、貴乃花部屋も廃業し相撲界から身を引くことを記者会見で発表した。

傷害事件の告発状について意見の相違があたことと、部屋の一門への所属を巡る圧力に抗議しての退職らしい。貴乃花親方は頑固で一途、決して自分の中の正義を曲げない信念の強さを持つが、視野は狭くて融通が利かない扱いの難しい男でもある

古いごっつあん体質から脱却出来ない相撲協会にも問題があるが、大人の世界を上手く立ち廻れない不器用横綱・貴乃花親方ならではの引退宣言だ。

1990年代初め、兄の若乃花(当時、若花田)と共に、相撲界のサラブレッドとして大フィーバーを起こしていたのが、若き日の貴乃花(当時、貴花田)だった。大横綱千代の富士を初顔合わせで破り世代交代を果たすと、すぐに幕内最年少優勝も果たし将来の横綱昇進も間違いないと思われていた。

そんな完璧と思われていた男に疑念が湧いたのが、宮沢りえとの婚約破棄事件である。芸能界の人気者と突然の婚約を発表したかと思えば、わずか2ヶ月後に婚約破棄の記者会見を開いたのだ。

婚約破棄の理由は色々言われているが、当人たちが口を閉ざし語らないので真相は分からない。問題は、記者会見で婚約破棄の理由として言った「愛情が亡くなった」という言葉だ。この言葉は、婚約破棄の理由としてあんまりだと女性たちのヒンシュクを買った。

婚約破棄の本当の理由が明かせずに、自分が悪者になるつもりで当時の貴花田がこの言葉を使ったのは理解出来る。だが廻りの圧力があったにせよ、こんなにあっさり婚約破棄をするなんて、宮沢りえがあまりにも可哀相だった。この出来事により、貴乃花があまり人間の心を理解出来ない相撲ロボットではないかと疑ったものだ。

そんな事もありながら、相撲道に邁進した貴乃花は大横綱へと成長する。そして8歳年上の元女子アナ河野景子と結婚すると、信奉者が入れ替わったかのように兄や父との仲に不和を生じようになる。その原因のひとつは史上初となった兄弟の優勝決定戦にあると言われており、貴乃花の腰砕けに終わった勝負の結果は当時から疑惑の目で見られていた。

貴乃花はこのことをずっと根に持っていたようだ。引退後テレビ番組の中で、あれは父親である師匠に指示された八百長相撲であると告白して、あわてた相撲協会から厳重注意を受けている。

貴乃花の奇人変人ぶりは引退後様々な話題を提供することになる。あばらが浮き出るような過剰ダイエットや整体師による洗脳騒動、親方株を巡る“兄まさる氏”との確執と絶縁事件などである。時たま見せる、何かに取り憑かれたかのような貴乃花親方の表情に、そこはかとない不気味さを感じたくらいだ。

2010年には二所ノ関一門を離れてまで理事選に挑み、見事当選して最年少理事となる。協会幹部に反感を抱く勢力の支援を受けてその後も当選を続け、貴乃花を相撲界の革命児とおだてるマスコミもいた。だがストレートなだけで策もなく、廻りの反発を買うような貴乃花のやり方がそのうち行き詰まるのは目に見えていた。

弟子への暴行事件に対し強行姿勢を貫いた態度が仇になり、身内の暴行事件で足をすくわれた形で地位も発言力も削がれてしまったことが今回の引退に繋がった。信念を曲げないのは結構だが、弟子やファンの事を考えるなら、もう少し協会と話し合って歩み寄る姿勢もあっていいのではないだろうか。あまりにも人間としての幅が狭すぎることの、残念な結果である。

貴乃花親方が協会に居続けたとしても、将来理事長に選ばれる可能性は少なかっただろう。万が一トップに就いたとしても、根回しが出来ない彼は単なるトラブルメーカーで終わっていたに違いない。記者会見では盛んに「弟子のことが」と心配するような言葉を口にしていたが、彼の器量の狭さで振り回される弟子たちが気の毒だ。貴乃花には、これから己を顧みる謙虚さが必要だろう。これを機会に、もっと器の大きな人間を目指して欲しい。

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