スピルバーグと大ヒット映画「E.T.」

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永遠の映画小僧、スピルバーグ

スピルバーグといえば映画小僧がそのまま大人になったような人物で、70を越えた今もなお映画を作り続けている。

しかもハリウッドではクリント・イーストウッドやリドリー・スコットに並ぶ早撮り監督と知られ、『プライベート・ライアン』の様な戦争大作でさえ60日という驚異的な早さで撮り終えている。だからスピルバーグの映画は制作費が掛かっていそうで結構安上がりで作っているようだ。

しかも最新作の『ペンタゴン・ペーパーズ / 最高機密文書』と『レディ・プレイヤー1』はほとんど同時期の作品だ。『レディ・プレイヤー1』の実写部分はほとんど撮っていたが、CG製作が終えるまで時間があったのでその間を使って『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』を作ったらしいのだ。

たまたまメリルス・トリープとトム・ハンクスが空いていたという幸運もあったが、製作決定から完成まで僅か90日という異例の早さだった。

スピルバーグにインタビューした日本の映画関係者によると、彼は部屋の中で常にキョロキョロしていて落ち着かなかったようだ。多少発達障害の症状があるようだが、裏返せばそれが天才スピルバーグを生み出していると言えるだろう。

ETは空想の話し相手

『ジョーズ』『未知との遭遇』と立て続けにヒット作を生み出し、スピルバーグの新しき才能は一躍注目を浴びる。だが調子に乗ってしまったのか、予算を大幅に超過して作られた『1941』は大コケし、一時監督生命の危機を向かえる。しかし盟友ジョージ・ルーカスと協力して制作した『レイダース/失われたアーク』の世界的ヒットで再び息を吹き返す。

自信を取り戻したスピルバーグが満を持して製作したのが、SFファンタジー映画『E.T.』だ。この映画はスピルバーグの少年時代が色濃く投影された作品で、徹底した子供目線で描かれている。

スピルバーグは少年時代に両親の離婚を経験し、内向的な性格ゆえに寂しさを空想で紛らわすことが多くなっていた。その空想の話し相手となった想像上の生き物が、『E.T.』のキャラクターの元となっている。そのアイデアを女性脚本家メリッサ・マティスンが感受性豊かな物語に仕立て、作品の方向性が決まったのである。

撮影秘話

主役の少年エリオットは10歳のヘンリー・トーマスが演じることになり、妹役には後に人気女優となるドリュー・バリモアが選ばれた。

E.T.のデザインは視覚効果の専門家カルロ・ランバルディが行なったが、スピルバーグは異星人の姿をあえて醜くするよう指示した。今で言うキモカワのキャラクターだが、その辺のセンスの良さは流石スピルバーグである。

CG技術は当時まだ普及しておらず、撮影用E.T.は作動ケーブルでつないだものや、制御装置がつけられたものなど大小4体の模型が作られた。ちなみに同じ時期、本格的にCGを導入した映画『トロン』が制作されているが、リアルな造形とは言い難いものである。

そのほか小人が入る着ぐるみも作られたようだが、それに関してスピルバーグは多くを語っていないようだ。E.T.の声は82歳の老女の声をコンピューターで加工したものを使ったらしい。

撮影は子供が演じやすいよう順撮りで行なわれ、出来るだけ1テイクで終わらせるようにした。いわゆるゾーンに入ったのか、製作中にもかかわらずスピルバーグが名作を撮っていると噂が立ったそうだ。

最後はエリオット少年と故郷へ帰るE.T.とのお別れ場面で締めくくられるが、その際二人が互いの指先で触れ合う構図は有名だ。だが実際は映画にそのシーンはなく、本編を見るとE.T.がエリオットのおでこあたりに手をかざし、その先を光らせているだけである。どうも映画ポスターのイメージが強すぎるようだ。

スピルバーグの思い入れ

映画は公開されるやいなや、たちまち大評判となり『スターウォーズ』の配給収入記録を塗り替える大ヒットとなった。この作品の成功によりスピルバーグは映画界に確固たる地位を築き、その後自由に映画を製作するポジションを手に入れた。その後はエンターテインメントを作り続ける一方、ヒューマンドラマにも取り組むようになる。

スピルバーグのこの作品に対する思い入れは強く、数年間ビデオ化もテレビ放送も許可しなかったほどである。

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