映画と自動車

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先日映画の中の鉄道と列車という記事を投稿したが、今度は映画と自動車をテーマにしてみたい。ただこれも作品名をいちいち挙げていたら際限ないので、個人の好みとバランスを考えて10数作品(含シリーズ)に絞らせてもらった。

まず日本映画からと言いたいいところだが、困ったことに思い浮かぶ作品がほとんど無い。日本は自動車大国だが車を前面に出しても呼べる観客が限られるし、規制や制約が厳しく面白いカーアクションの撮れる環境もないからだろう。

石原プロ制作の『栄光への5000キロ』というカーレースを題材にした大作があるが、残念ながら未見だ。デコトラブームを作った『トラック野郎』シリーズもあるが、トラックの疾走シーンに迫力が無く物足りない。

車が印象的に使われている映画ということなら、山田洋次監督・高倉健主演による『幸せの黄色いハンカチ』がある。国内の映画賞を総なめにしたロードムービーの名作で、武田鉄矢が運転するマツダ・ファミリアの赤いボディーが北海道の大地に映えている。この映画で武田鉄矢は冴えない青年役を好演し、ヒット曲『母に捧げるバラード』以降ぱっとせず一発屋で終わりかけていた彼に役者の道を開いた作品となった。

日本を舞台にしたものでは、『ワイルド・スピード』シリーズの外伝的作品『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT 』がある。東京を舞台にしたドリフト走行によるストリートレースを描いたもので、千葉真一や北川景子など日本人もキャストされている。例によってヘンテコ日本があちこちに登場するので、そんなところも楽しめるだろう。改造されたフェアレディZやシルビア・RX-7などの日本車がレースに登場してくる。

カーレース映画で日本のサーキットコースが登場するのがロン・ハワード監督『ラッシュ/プライドと友情』だ。同時期に活躍した伝説的F1レーサー二人のライバル関係を、実話を元に描いた作品である。自由奔放なジェームズ・ハントに、精緻な理論派ニキ・ラウダという対称的な二人の生き様が面白い。

二人は年間チャンピオンの座を賭け激しく競い合うが、ランキング1位だったニキ・ラウダがレース中の事故で大怪我を負ってしまう。頭部に大火傷を負い肺が焼けただれてしまう程の重傷だったが、ラウダは執念で6週間後にレースへ復帰する。そして2位で追走するハントと決着をつけるべく、激しい雨となった富士スピードウェイで最後の勝負が繰り広げられるのだ。

ちなみにピクサーアニメ『カーズ2』ではカーレースの出発点が日本になっており、背景に東京の街並みが描かれる。

カーチェイスの代表作といえば、ピーター・イェーツ監督『ブリット』やウィリアム・フリードキン監督『フレンチ・コネクション』といった古典的名作が挙げられるが、登場する自動車と合わせての印象となると007シリーズだろう。

秘密兵器を搭載したアストンマーティン・DB5やロータスエスプリなどのボンドカーが有名だが、ユニークさでは『ユア・アイズ・オンリー』で使われたシトロエン・2CVによるカーチェイスシーンだ。可愛い外見のシトロエンに激しいカーチェイスというアンマッチさが面白い。

もっと激しいカーアクションを求めるなら、『マッドマックス』シリーズだろう。中でもジョージ・ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス・ロード』におけるアクションの凄ましさは、狂気さえ感じさせる。荒廃した世紀末の物語は大味だが、細部にこだわったその世界観は徹底している。それが、画面を走り抜ける自動車を単なる道具から宗教的偶像にまで昇華させ、まるで神話の世界で争いが起こっているように錯覚させるのだ。

ティム・バートンの『バットマン』シリーズ4作も、独自の世界観にこだわって作られたアメコミヒーロー映画である。この映画に登場するバットモービルは映画を象徴するアイテムとなっており、造形が作品ごとに違うので比べてみるのも面白い。クリストファー・ノーラン版のバットマン『ダークナイト』3部作では、タンブラーと呼ばれる装甲車風の車両になっており強さとテクノロジーを表している。

自動車が物語の重要なアイテムとして登場するのが、ロバート・ゼメキス監督のSFアドベンチャー『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズである。デロリアンをタイムマシーンにするというアイデアで、ストーリーにに躍動感とスピード感が生まれ映画を成功させる要因となっている。

ちなみにデロリアンとは、大手カーメーカーの副社長であったJ・Z・デロリアンが独立し製造した自動車のことで、発売当初大きな話題となった。会社がすぐに倒産したため製産台数が少ないが、映画で有名になったことでカルト的な人気を持つ自動車だ。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズはスティーブン・スピルバーグが制作総指揮を務めているが、そのスピルバーグが25歳の若さで演出を手掛け評判になったのが『激突』である。ビジネス先に向かうセールスマンが明確な理由もなく、正体不明のトレーラーに執拗に追いかけられる恐怖を描いた物語だ。余計な説明を省き相手の姿も描かず、不気味さを増幅する演出が冴え渡っている。

自動車と恐怖となれば、なんといってもアンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督による1953年制作のフランス映画『恐怖の報酬』だろう。人気歌手でもあったイヴ・モンタンが主演を務め、ニトログリセリンを積んで悪路を走る運搬トラックの恐怖を描いている。映画は130分以上ありサスペンス物としては長尺だが、手に汗握る展開で観客を飽きさせない。

この作品はウイリアム・フリードキン監督により1977年にリメイクされているが、撮影技術の向上で恐怖はより増している。特に、雨の中今にも落ちそうな吊り橋を、トラックが揺れながら通り抜けるシーンのスリルは最高だ。

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