BS1スペシャル「激白!西野朗X岡田武史」




2日に前監督西野朗と元代表監督の岡田武史による対談番組があった。前半ではワールドカップでの戦いを振り返り、後半では今後の日本代表について語り合うという内容だ。12月30日に放送されていた「ロストフの死闘」ではベルギー戦を扱っていたが、グループリーグ3試合についてのエピソードも聞けて興味深かった。

番組では現役時代の西野さんと岡田さんが、試合でマッチアップしている写真が使われていた。二枚目と引き立て役という対比も面白いが、岡田さんの長髪眼鏡姿がなんとなく笑える。岡田さんはディフェンダーだったが、当時(1980年前後位?)はそれほど激しいコンタクトプレーが無かったのだろう。


前半は主に試合を振り返りながらの語りだったが、Wカップ直前の監督交代劇についても少し触れていた。ハリルと選手たちの関係性の悪さは報道からでも知り得たが、実際キャプテンの長谷部がさじを投げるほど深刻なものだったらしい。

西野監督という選択が最善だったかどうかは分からないが、少なくともハリル監督解任は正しい判断だった。大会直前というタイミングの悪さが批判されたが、ハリルが監督のままでは本番でチームが空中分解して日本代表は大きなダメージを負っていただろう。その事を窺わせる幾つかのエピソードも聞けて興味深かった。

ハリル突然の解任は、冷遇されていた選手が俄然意欲を取り戻すという効果があったようだ。それで怪我をしていた選手や体調不良だった選手が急激に調子を上げ、大会本番に間に合わせたというエピソードにも現われている。やはり勝負に勝つということは、戦術より前に選手たちのプレーする意欲が大事なのだ。

グループリーグを勝ち上がり決勝トーナメントでベルギーと戦ったが、勝てると思った試合を落としたのは残念だった。そのことは、西野監督も指示が中途半端になってしまったと対談の中でも後悔を述べている。まあその点は監督も経験不足だったのだろうが、選手にも勝者のメンタリティが足りなかったと思う。

ベルギーが1点を返したところから雰囲気ががらりと変わり、流れは完全にベルギーの勝ちペースとなっていく。あの得点はラッキーゴールだったが、そうなったのは日本が不運だったからではない。ベルギーは0-2とリードされた後攻撃的な選手を2人投入し、日本に圧力を掛けていった。日本はそんなベルギーの圧力に呑まれ、自らを苦しい状況に追い込んでいったのだ。

勝つために小さなディティールを重ね、流れを自分の方に傾ける。そういった経験とメンタリティーが、日本にはまだまだ不足している。そのことがベルギーにラッキーとも思える得点を与えてしまったのだ。

年末にBSでWカップ日本戦の再放送をしていて、それを見ていて気が付いたことがある。ベルギーのGKクルトワは、前半にもボールキャッチから速いフィードをしていた。最後のカウンターでもクルトワのボールキャッチからいち早く走り出したのはデブルイネだけではなく、決勝点を挙げたシャドリもほとんど同時に走り出しそれに連動してムニエ・ルカク・アザールも直ちに駆け上がっている。

つまりベルギーにはこの高速カウンターは馴れたプレーで、裏返して言えばスカウティングを行なっていたはずの日本にも充分に予測出来たプレーだということだ。それなのに日本は充分な対処が出来ていなかった気がする。あの時間帯でコーナーキックから得点を狙ったのは、決して間違いでは無かったと思う。しかし試合の流れを掴むという経験と準備は充分ではなく、あの結果となってしまったのだ。

クルトワの素早いフィードを許してしまった吉田が、疲れがある中で難しい判断だったとインタビューに答えている。だが選手の心構えに隙があったことは否定できず、そういったディティール不足こそ日本が強豪に勝ちきれない部分だと思う。

まあ、延長戦に入っても勝ち目がなかっただろうが、日本が徐々に上のレベルへ近づいているのは確かだろう。今回の苦い経験を生かし、次回のWカップでの雪辱を期待したい。

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