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ホラー映画「エスター」この娘、どこか変だ。

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腹にズシンと来るサイコホラー

ホラー映画が苦手で普段そんなに見ないのだが、テレビで『エスター』が放送されていたので鑑賞してみた。宣伝ポスターに描かれる少女エスターが既に不気味だが、内容も腹にズシンと来るサイコホラー映画だ。

“この娘、どこか変だ。” は映画のキャッチコピーだが、謎の少女エスターが変どころかサイコパスすぎて怖い。

3人目の子供を流産したというショックを払拭するため、コールマン夫婦は養子を迎えようとする。その夫婦が孤児院で出会ったのが、聡明で大人の雰囲気を帯びた9歳の少女エスターだった。夫婦はエスターを気に入り養子に迎えるが、彼女が隠された本性を露わすると家族に恐怖の時が訪れる。

不気味な養女

コールマン家の養子となったエスターは、難聴の末娘マックスを手なずけ利用する。そして自分を嫌う長兄ダニエルさえ恐怖で支配してしまう。そして気に入らない同級生を高いところから突き落とし、大怪我を負わせる事件を起こす。

狡猾で繊細、そして冷酷な彼女は何者で何を企んでいるのか。エスターがコールマン家にもたらすだろう不吉な香りは、見ている者の心理に不安を与える。

母親のケイトはエスターに優しく接するが、夫婦の営みを見られたところから彼女の邪悪さに気が付く。警戒し始めたケイトだが、狡猾なエスターは父親のピーターを味方につけ彼女を翻弄する。

そしてついにエスターは孤児院のシスターを金槌で殴り殺すなど、残酷な本性を見せ始めるのだ。そして物語は前半の心理ホラーから、サイコ性を帯びたエスターによるサスペンスホラーとなっていく。

映画は冒頭から血のイメージで始まり、観客はオカルト的な雰囲気に身構えてしまう。だがこれは、エスターの正体を誤魔化すミスリードだろう。実際は巧に構成された心理・サイコホラーで、そこら辺のオカルトよりずっと怖い。

エスターの正体とは

ケイトによってエスターの正体が明かされるが、哀れな姿と業の深さに観客は唖然とする。でも、ちゃんと納得出来るよう伏線が効いているので違和感がない。実によく練られた上手い脚本だ。

肝となるサイコ少女エスターの造形も良く出来ている。エスターの役は当時12歳のイザベル・ファーマンが怪演しているが、無表情で残酷な行ないをする少女は本当に不気味だった。特に万力で自分の腕を骨折させる場面なんて、あまりのおぞましさに気分が悪くなったぞ。

ちなみに難聴の末娘ダニエルを演じたアリアナ・エンジニアが可愛かったが、彼女は本当の聴覚障害者であの手話も本物だそうだ。

エスターが本性を露わにし父親に迫るところまではホラーとして良かったのだが、最後アクション的な展開で終わったのは残念だった。だがDVDには特典として別のラストが収められており、それは化粧を施したエスターが駆けつけた警官の前に平然と姿を表すというものだ。ホラーとしてはそっちの方が正解だろうけど、商業的には無難なものに落ち着いたのだろう。

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