アメコミ・ヒーロー映画の原点「スーパーマン」シリーズ

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アメコミ・ヒーロー映画の原点

4月26日、“マーベル・シネマティック・ユニバース”シリーズの最新作、『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開される。08年の『アイアンマン』から壮大な計画に基づいて作られたシリーズだが、今回の作品を持って一応の完結となる。いままで中心となってきた、ロバート・ダウニーJrやクリス・エバンスもこれが最後となり、また新しいシリーズが始まるようだ。

マーベル・スタジオを率いるケヴィン・ファイギは、制作助手として加わった00年の『X-MEN』から18年の『ブラック・パンサー』までプロデューサーを務めた映画の興行収入が83億ドルを超え、スティーブン・スピルバーグの記録を上回ったらしい。

一時マーベルの後塵を拝していた『ジャスティスリーグ』シリーズのDCコミックスも、『アクアマン』の世界的なヒットで勢いをつけ、これからの巻き返しを狙ってくるだろう。

そうした現在のアメコミ・ヒーロ映画の隆盛があるのは、78年公開『スーパーマン』の成功があったからだ。それまで子供向けと考えられ、ハリウッドでは見向きもされなかったアメコミ・ヒーロ映画が『スーパーマン』のヒットで、一躍客を呼べるジャンルとして注目され始めたのである。

映画『スーパーマン』の誕生

『スーパーマン』の映画化が企画されたのが70年代半ば頃で、その後『スターウォーズ』や『未知との遭遇』などSFブームの流れから制作が具体化する。

映画化を企画したのが、アメコミ関係者でもハリウッド関係者でもない、ヨーローッパを拠点とする映画製作者のサルキンド親子。彼らは50年代TVシリーズの知識だけでスーパーマンの映画化権を取得し、アメリカ人が興味を示さない企画に手を出したのだ。

反対に言えば、アメコミ・ヒーロー事情を知らなかったからこそこの映画を企画したと言える。スーパーマンに明確なビジョンを持たない彼らは、脚本家に『ゴッドファーザー』の原作者マリオ・プーゾを起用する。

しかし、アメコミに興味のないプーゾにこの仕事を任せるのは無理があり、TVシリーズを手掛けた脚本家も加わるが、内容はおふざけ半分の子供じみた話になる。

キャスティングも難航、サルキンド親子はスーパーマン役候補として、ロバート・レッドフォード、チャールズ・ブロンソン、クリストファー・ウォーケン、といった旬のスターにアプローチするが、当時の人気俳優がヒーローコスチュームを着るなどあり得ず、企画は失敗するかに思えた。

だが、幸運だったのは監督にリチャード・ドナーが起用されたことだった。『オーメン』が評価され白羽の矢を立てられたドナーだが、アメコミに見識を持っていた彼は、最初のふざけた脚本を破棄する。そして007シリーズに携わったトム・マンキウィッツに書き直しを依頼、大人も楽しめる物語に作り替えた。

キャスティングも、政治的発言で敬遠されていたマーロン・ブランドと高額の出演契約を結んだのを契機に、レックス・ルーサー役にジーン・ハックマンを獲得するなど大作としての体裁が整ってきた。難航したスーパーマン役も新人のクリストファー・リーブの起用が決まり、音楽も売れっ子のジョン・ウイリアムズが担当してくれることになったのである。

こうして映画は完成し、最新のSFX技術を使ってヒーロのダイナミックな活躍が表現される。また、クリストファー・リーブがアメリカの正義とパワーを体現し、その端整な容姿で古典的ヒーローを格好良く見せてはまり役となった。そしてジョン・ウイリアムズの勇壮な音楽も映画の印象を強くし、SFテーマ曲のスタンダードとなる。

アメコミ・ヒーローシリーズの先駆け

数ヶ月をかけ撮影された空を飛ぶシーンと本格的な特撮シーンは、子供向けと馬鹿にしていた観客を驚かせ、映画は予想を超える大ヒットを記録する。そして80年には『スーパーマンⅡ/冒険編』が公開され、この続編もヒットした。まさに失敗しそうな企画だったが、たまたま運が良く人が集まって成功した作品と言える。

だがこの続編の撮影中、サルキンド親子と衝突を繰り返していたドナー監督が途中降板、リチャード・レスターが後を引き継ぐ。だがレスター監督にアメコミにへの見識はなく演出は荒唐無稽に傾き、『スーパーマンⅡ/冒険編』で最大の敵・ゾッド将軍を使い、早くも尻つぼみになったシリーズは迷走する。

83年『スーパーマンⅢ/電子の要塞』では、敵がスーパーコンピュータという実感の湧かない相手となり、観客を惑わせる。さらにサルキンド親子は84年に『スーパーガール』を制作するが、滑稽さの目立つ内容が不興を買った。そして4作目の『スーパーマンⅣ/最強の敵』では、シリーズに見切りをつけたサルキンド親子が手を引き、B級制作会社の低予算映画となる。

こうして安っぽい内容となった4作目は興業的にも失敗、シリーズは打ち切りになってしまった。だが『スーパーマン』シリーズがアメコミ映画の道を切り開いた功績は大きく、89年にヒットした『バットマン』に繋がっていく。

そしてアメコミはハリウッドの儲かりジャンルとなり、00年代には『スパイダーマン』『X-MEN』『ダークナイト』などのヒット作が生まれ、現在まで続いているのである。

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