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アナザーストーリーズ「“カメラを止めるな!”~」

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〈2019年5月22日の記事〉
『“カメラを止めるな!”~低予算 × 無名が生んだ奇跡』

今週のアナザーストーリーズは、『“カメラを止めるな!”~低予算×無名が生んだ奇跡』。300万円の低予算で製作され、去年話題となって30億以上を稼ぎ出す大ヒットを記録した映画が上田慎一郎監督の『カメラを止めるな!』。番組では制作裏話を語りながら、映画作りに関わった人々の熱い想いを描いていた。

『カメラを止めるな!』は、とにかくアイデア勝負で楽しませる映画だが、肝となるのが前半37分のワンカット・ゾンビ劇。映画を見た時点から、ワンカット撮影に困難が伴っていただろうとは容易に想像できた。

番組では、映り込みや録画ミス・撮り直しで生じる血糊やメイクのリセットなど、綱渡りだったワンカット撮影のハプニングや困難を紹介していた。でもまあ、これくらいの障害は普通だし、想像の範囲内だったかな。

インディーズ映画ならではの挑戦

作り手にしてみれば、37分のワンカット撮影は予算の問題もあって難しいものだったのは分かる。しかし映画作りにクレイジーな情熱を燃やす人物は多く、それこそエゲツないエピソードだってゴマンとある。

それに比べれば、ワンカット撮影が大変だといっても馴れの問題で、日を置いて2日で撮影が終わったのは結構順調だったんだなという印象だ。それに、ある程度のハプニングは織り込み済みだったようだし、不可能に近いほどの挑戦とか、熱気と狂気のドラマとか、ちょっと番組は煽りすぎだろう。

ただ超低予算のインディーズ映画だからこそ、37分のワンカット撮影に意味がある。これがカットを割っていたら、作品はつまらなくなっていただろう。ワンカット撮影で生まれる、スタッフのアイデアと工夫。そして無名俳優たちの奮闘や、手触りを感じる映像とにじみ出る熱意。これが観客の共感を呼び、後半の種明かし部分の楽しさに繋がっている。

これが知名度のある俳優を使い普通に予算を掛けて作られていたら、ここまでの楽しさや満足感は無かったと思う。マイナー作品だからこそ、作り手と観客の距離が近くて温もりもある。そこがいいのだ。

出演者たちのその後

番組後半は、この映画に出演したことで環境が一変した俳優たちの物語。まずは主役の日暮隆之を演じた、濱津隆之について。もともと濱津お笑い芸人だったようで、番組では彼が腹話術人形に扮したコント映像を紹介していた。この時濱津は24歳、実に若々しいが一方で自信のなさも見て取れる。

濱津は2年足らずで芸人を辞めると、アルバイトをしながら小劇場に立ち続ける生活が続く。

転機となったのは、上田慎一郎監督の映画ワークショップに講座料15万円を払って参加したこと。この講座からのオーディションで濱津は『カメラを止めるな!』の主役に抜擢される。主役の日暮隆之は普段物事に流されやすい性格だが、追い込まれると狂気さえ帯びてくる男。濱津はまさにそんな男と丸被りで、キャラとも素ともつかない役を上手く演じていた。

映画のヒットで濱津の演技は注目され、日本アカデミー賞の主演男優賞の候補にまでなる。まさに宝くじにでも当たった気分だろう。

そして最後に出てきたのが、テレビ局員役の曽我 真臣。映画での出番は少ないが『カメラを止めるな!』に惚れ込み、全国の舞台挨拶に姿を現わして鉄人と呼ばれる。そして熱い語りで毎回号泣、名物男となってしまった。やっぱり出会いっていいな、と思わせてくれるエピソードだ。

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