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アナザーストーリーズ「香港パワー!ジャッキー旋風~」

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〈2019年8月8日の記事〉

『香港パワー!ジャッキー旋風 世界を駆け巡る』

65歳となった今でも、生身のアクションで主演映画を撮り続けるアジアのスーパースター、ジャッキー・チェン。時々放つ政治的発言が炎上したりするが、それだけ無邪気で純粋な映画人だ。

今週のNHKアナザーストーリーズ『香港パワー!ジャッキー旋風 世界を駆け巡る』では、そんなジャッキーがブルース・リーの呪縛から逃れ、自分のスタイルを打ち立てると、そこから命知らずの挑戦を続ける姿を描く。

ブルース・リーの呪縛

70年代初め、自分が作り上げたカンフースタイルでたちまち世界を魅了したブルース・リー。そのブルース・リーの映画『ドラゴン怒りの鉄拳』に当時17歳のジャッキーが出演、ワイヤーを使って6メートル吹き飛ばされるとういう危険なスタントをやり遂げていた。

ブルース・リーの死亡後ジャッキーは、この映画の続編『レッドドラゴン/新・怒りの鉄拳』の主役に抜擢される。番組では格闘シーンの一部を見せていたが、ブルース・リーのモノマネを演じているに過ぎず、ジャッキーのカンフーに全く生彩がない。

それはジャッキーだけの問題ではなく、ブルース・リーの呪縛から逃れられない、当時のポスト・カンフースター全員の悩みだったのだろう。

ジャッキーが呪縛から逃れ、自分のスタイルに出会ったのが『少林寺木人拳』 駆け出しの監督チェン・チーホワとアイデアを出し合い、ジャッキーは自分の個性を発揮し始めたのだ。

そして彼の出世作となったのが78年の『酔拳』 トリッキーな動きと華麗な連続技、そこにコミカルな要素も噛み合って、観客を楽しませる新しいカンフー映画が登場したのだ。一躍香港のスターとなったジャッキーは、この映画で日本にもその名を知られるようになる。

番組では紹介されていなかったが80年の『ヤング・マスター/師弟出場』も、ジャッキーの転機となった作品。それまでの京劇風な動きを薄め、スピード感溢れた型に嵌らないカンフーを披露。まさにエネルギー全開で、ラスト20分に渡る激しい格闘シーンはジャッキー渾身のアクション。彼の最高傑作と見る向きもある。

『プロジェクトA』の伝説シーン

そして番組が次に取り上げるのが80年『プロジェクトA』でのあの伝説のシーン。ハロルド・ロイドの有名な映画をモチーフに、高さ18メートルの時計台から飛び降りるジャッキー。落下地点の砂の下には何か敷かれているだろうとは思っていたが、今回の番組で段ボール箱と畳が埋めてあったことが分かり、ようやくスッキリ。

このシーンの撮影でジャッキーが重傷を負ってしまったので、一回だけ代役でスタントを務めることになった弟分のマース。怖くて時計台の針から手を離せなかったと言っていたが、そりゃそうだろう。ジャッキーの脳だけ恐怖の感覚が欠けているのでは、と疑ってしまうほどだ。

しかし個人的にジャッキーの映画が面白いと思えたのは、85年『ポリスストーリー/香港国際警察』の辺りまで。陳腐なストーリーに薄い人間描写、コメディセンスも合わないし、アクションも食傷気味。次第に興味が薄れてしまい、長いこと新作も見ていない。でもまあ、しょうがないよね。

番組の最後、「引退は考えていない?」と尋ねるメディアに「引退するにはまだ若すぎるよ!」と答えるジャッキー。若い時のパワーはもうないが、映画への熱い情熱はまだ衰えていないようだ。

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