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M-1グランプリ2019 決勝大会

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新チャンピオンはミルクボーイ

M-1グランプリ2019の決勝大会は初出場が6組、初めて聞くようなコンビもちらほらと言う新鮮さ。敗者復活戦には、和牛、ミキ、四千頭身、アインシュタイン、カミナリらの実力者や人気者たちの名前が並び、メンツだけならこちらの方が賑やかだ。

こんなふうに、期待と不安が入り交じった中で始まった今年の大会。しかし良い意味で予想を裏切り、スベリやハズレの無い見応えある漫才合戦となった。

そして第15代王者となったのは、芸歴12年・大阪吉本所属のミルクボーイ。今年初めテレビで漫才を披露したという無名コンビだが、圧倒的な面白さで観客と審査員を魅了。決勝ステージでも7人中6人の票を集めて、みごとチャンピオンの栄冠に輝いた。

と言うわけで、M-1決勝大会に出場した10組について自分なりの感想を。

10位  ニューヨーク(616点)
去年に続く出場を果たし、同業者の評価も高い中堅コンビ。まだ会場が暖まっていない中で笑いを取るなど健闘したが、トップバッターという難しい状況で得点は伸びず。しかもこの後高得点が続き、早い段階で埋没してしまったのは残念。
9位 インディアンス(632点)
ツッコミ田渕によるギャグ速射砲のスペックが高く、観客の息をつかせない漫才。だが一方で、よく訓練されたボケ・サイボーグに見える機械的なツマラナさも否定できないところだ。中川家・礼二も指摘した人間味の薄さが、得点の伸びなかった理由だろう。しかしツッコミ・キムの若い頃の写真、ガラ悪すぎ。よくここまでキャラをソフトに出来たな。
8位 すゑひろがりず(637点)
和装で登場の、いにしえスタイルが新鮮なすゑひろがりず。古典的な言い回しもよく考えられており、とてもユニークな漫才だった。鼓を打ちながら舞い、祝い事を述べるのは「漫才」のルーツたる「萬歳」と形式が一緒。これから正月番組への需要がありそうなので、今回名を知られただけでも勝ち組だ。
7位 オズワルド(638点)
以前見たことある気がするも、あまりよく覚えていない。大爆笑をとったミルクボーイのすぐ後だったが、丸眼鏡と髭が特徴のツッコミ・伊藤の持ち味が独特で、思った以上に笑わせてくれた。
6位 からし蓮根(639点)
コンビ結成6年目で、まだ2人とも20代半ばという若手コンビ。技量は発展途上だがその初々しさが上沼恵美子のお気に入りとなり、なかなかの高得点を獲得した。ただ今年は「お笑い第七世代」と呼ばれる若手たちが台頭、その中で存在感を出すのは大変そうだ。
5位 見取り図(649点)
3年連続M-1出場を果たした、高い実力を持つ漫才コンビ。デカい図体ながら甲高い声、森山の巻き舌ツッコミが歯切れ良くて楽しませる。ただナイツ塙に指摘されたように、無意識に出る癖が落ち着きのない印象を与え、マイナス点となってしまった。
4位 和牛(652点)
敗者復活戦を勝ち抜き、5回目の出場。さっそく本舞台に立つなり、流石の漫才を見せてくれた。技術だけなら今大会の出場者どころか、歴代でも屈指の漫才巧者だろう。しかしそんなところが鼻につくのか、上沼恵美子に「大御所ぶっている」と嫌われてしまい、決勝ステージを逃す結果に。
年々巧さは増しても、新鮮さや勢いはだんだん薄まっていくもの。今回タイトルを逃し、もう和牛のM-1王者獲得は遠のいたかもしれない。
3位 ぺこぱ(654点)
試行錯誤の末たどり着いた「ノリツッコまない」漫才。化粧で頑張る松陰寺は、いかにもサンミュージックらしい迷いキャラ。だが、そこが面白いかも。今年の「ぐるナイおもしろ荘 元旦特別編」ではポンコツ臭を漂わせながら優勝。その後はブレイクもせず気になっていたが、彷徨いながらもどうやら力を溜めていたようだ。
2位 かまいたち(660点)
優勝候補にも挙げられていた、オールラウンドの実力派コンビ。ボケ山内のとぼけた胡散臭さが面白いが、ツッコミ濱家の受けの上手さも、“かまいたち”クォリティーだ。2番手という早い登場ながら高得点、結成15年目の最後を飾るかと思えたが、そのあと現れた伏兵に敗れてしまった。
優勝 ミルクボーイ(681点)
立ち上がりは比較的無風。しかしネタが進むにつれ笑いが加速、終盤には会場を大いに沸かせる圧巻の漫才で、M-1史上最高得点を獲得した。内容は特に奇をてらうわけでもない、王道の掛け合い漫才。だが角刈りの内海は早口な割に滑舌が良いと言うか、とにかく喋りが丁寧で聞き取りやすい。
丁寧なのは身ぶりや手ぶりも同じ。つまり見取り図・森山の落ち着かなさとは対照的、あのどっしりとしたスタイルで見せる漫才が心地よい。また言葉の力とセンス、そして勢いのある畳み掛けで、シンプルな題材を爆笑に変える力量が本当に素晴らしい。まさに、「逸材現る」と感じた瞬間だった。
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