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映画「シャレード」

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ヒッチコック風味のロマンチック・スリラー

オードリー・ヘップバーンとケイリー・グラント主演の映画『シャレード』は、63年に制作されたロマンチック・スリラーの快作。監督は『雨に唄えば』を手掛けたミュージカル映画の名手、スタンリー・ドーネン。

またテーマ曲を『ムーンリバー』などで知られる映画音楽の第一人者、ヘンリー・マンシーニが担当、アダルティな雰囲気を盛り上げている。また主演の二人に絡むのは、ウォルター・マッソー、ジェームズ・コバーン、ジョージ・ケネディといった、いかにもクセの強そうな個性派揃い。もうそれだけで面白そうだ。

オードリーが熱望しながら、ついには叶わなかったヒッチコック映画への出演。二転三転するスリリングな展開、随所にちりばめられたユーモア、そして粋でダンディなケイリー・グラント。『シャレード』はまさしく、一見ヒッチコック映画のテイストを装った作品だ。

虚々実々のやり取り

財産家の夫が突然事故死、すると未亡人となったレジーナ(オードリー・ヘップバーン)に、3人の怪しい男たちがつきまといだす。そしてアメリカ大使館のバーソロミュー(ウォルター・マッソー)に呼び出され、亡夫が軍資金を強奪していた事を知らされて困惑するレジーナ。

そこへ旅先で知り合ったピーター・ジョシュア(ケイリー・グラント)が、彼女に協力を申し出る。しかしそのピーターも、レジーナを騙していた事が発覚。誰が味方で、誰が敵なのか、そこから虚々実々のやり取りが繰広げられる。

だが、サスペンスと言ってもヒッチコック映画ほどの切れ味は無く、なんならミステリーとしては緩い方。ピーターがケイリー・グラントなので悪い奴のはずがないし、味方を装うウォルター・マッソーも出てきた時点でラスボス感満載だ。そういう意味では、緊迫感も意外性も薄い。

『シャレード』はそんなストーリーより、主演二人が醸し出す豪華さと、ナンセンスな可笑しさやお洒落さを楽しむ映画と言える。

ジバンシィがデザインした衣装を纏い、優雅に佇むオードリー・ヘップバーン。そのスタイルに合ったシンプルな装いが、オードリーの持つエレガンスをいっそう際立たせている。この撮影時オードリーは33歳。キャリアのピークで見せる、コケティッシュな姿が魅力的だ。

ケイリー・グラントの魅力

『シャレード』でヘップバーンの相手役となったケイリー・グラントは、この時58歳。ラブシーンではオードリーとの年齢差を気にしていたそうだが、『昼下がりの情事』での相手役ゲイリー・クーパー(当時56歳)よりむしろ若々しく見える。

都会的で端整な顔立ち、そして茶目っ気たっぷりなおじさまの魅力。50を過ぎてダンディに磨きの掛かったグラントは、年上キラーであるオードリーの相手役としてピッタリ。この映画では他の配役が考えられないほどだ。

グラントは30年代に銀幕デビュー、『赤ちゃん教育』を始めとするソフティケーティッド・コメディの代表格として活躍した。そして41年の『断崖』では陰を秘めた人物として新境地を開拓、計4本のヒッチコック映画で主演を務めている。

『シャレード』のあと2本の作品に出演し、65年に引退。実質本作が、キャリアの最後を飾る作品となった。

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