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「逆転人生」再生回数2億回! ドリブルの達人

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ドリブルデザイナー岡部将和

NHKの『逆転人生』。1月20日に放送されていたが、気付かずに見逃していた【再生回数2億回! ドリブルの達人】の再々放送が2月28日にあるのを知り、遅ればせながら視聴した。

この回で取り上げられたのは、ドリブルデザイナーを名乗る、サッカー指導者の岡部将和さん。SNSにプレー動画をアップすると、その変幻自在な技が注目され、総再生回数が世界で2億回を越えたというドリブルのカリスマだ。

ゲストは前園真聖さん。将来を期待されながら、アトランタ五輪をピークにキャリアは下降。引退後も飲酒による暴力事件で、一時期どん底状態となるが、今ではサッカー関連番組に欠かせない人気者である。その意味ではこの人も、逆転人生を経験してきたと言える。

天才ドリブラーの挫折と転身

少年時代は、プロを目指すサッカーエリートだった岡部さん。難関である横浜ジュニアユースの人団テストも合格、卓越したドリブル技術でコーチからは「日本の宝」とさえ呼ばれたそうだ。だが、そんな天才児だからこそ陥ってしまう罠が、自信過剰で独りよがりとなること。

ご多分に漏れず、天狗になってしまった岡部さん。環境に合わせる柔軟性の無さから、いつの間にか転落コースを辿りだし、ついには世界一の選手になるという夢も諦めざるを得なくなる。まあ世間にはよくある、エリート少年の挫折物語だ。

だがその挫折から立ち直り、ドリブルのスペシャリストとして新しい道を切り開いたのが岡部さん。彼のその歩みを語るのが、今回の『逆転人生』。ここまでは、アスリートの栄光と躓き、そして人生の再生を、美談仕立てで描くTBSの『消えた天才』と似たような内容。

『消えた天才』とは、映像加工のヤラセ問題で放送打ち切りとなってしまった番組。だがこの『逆転人生』は、主役に人生の哲学もしっかり語らせているところが、やっすい感動番組『消えた天才』との違いだ。

プロになったものの収入は少なく、少年フットサル指導のアルバイトを始める岡部さん。そこで気がついたのは、子供たちがドリブルで仕掛けず、パスばかり選択する消極さ。失敗すると怒られるので安全策に逃げるという負の環境が、ドリブルの楽しさを子供から奪っていたのだ。

このことから岡部さんは、ドリブルで相手を抜く楽しさを子供たちに教えるため、その方法を研究し始める。そしてたどり着いたのは、“相手の足が届かない「距離」✕ ヨーイドンで勝てる「角度」”の理論。

この理論を文章にしても煩雑だし解りにくいが、番組では岡部さんが前園さんを相手に、時間を割いて実技で詳しく解説。こういった丁寧な造りが、NHKの娯楽番組に説得力を持たせているところ。その点『消えた天才』は、薄いつくりの再現ドラマだけで説得力もポリシーもないから、安易な映像加工に走ってしまうのだろう。

バスったドリブル動画

感覚で行なっていたドリブルを、可視化・理論化で解りやすく指導することが出来た岡部さん。やり方を会得した子供たちも積極的にドリブルを仕掛けるようになり、指導の喜びに目覚めることになる。その活動を広めるためスポンサー探しを始めるが、誰も相手にしてくれず4年の月日が過ぎてしまう。

そこで始めたのが、アクロバティックなドリブル動画をSNSへ投稿すること。すると動画はたちまちバズりまくり、世界中から大きな反響が。すると、あのエドガー・ダーヴィッツから挑戦状が舞い込み、2人は日本でドリブル対決を行なうことになる。

見たこともない技でドリブルを繰り出すダーヴィッツに、岡部さんも負けじと応戦、短いが充実した対戦となった。オランダ代表では、その直言がチームにトラブルを起こしていた熱い選手だが、気さくで良い奴っぽい人柄が窺える映像だった。

現在の夢

こうして全国各地からSNSを通し、ドリブル教室の依頼が寄せられるようになった岡部さん。ついにはプロ選手からも、指導の依頼が舞い込むようになる。そして最近はサッカーだけではなく、NBAの選手やフェンシング、ラグビー、ボクシングと違うジャンルのスポーツからも、その間合いを知りたいと連絡が入るようになったらしい。

教室の終わりに必ず子供たちと対戦する岡部さんは、彼らに「ここでとられて失敗しても、人生で大きく見たら、それって失敗に入らない。逆に失敗が怖くてやらない方が、失敗だと思っています」とメッセージを送る。パス回しに終始し、チャンスを逃しがちな日本代表にも、ぜひ噛みしめて貰いたい言葉だ。

現在の夢は、バロンドールを穫るような世界一の選手をサポートしたいということ。その夢を実現するため、ビッグクラブに所属する選手と、今やり取りをしているところらしい。もしかしてそれ、久保 健英選手のこと?。

最後、子供時代に憧れたスーパースターへ会うため、遙か遠い異国を訪れる岡部さん。そのスターとは、元アルゼンチン代表のパブロ・アイマール。ベロンやリケルメとのポジション争いに敗れ、Wカップの活躍こそ少なかったが、2000年代のアルゼンチンを代表するファンタジスタだ。

現役時代は、貴公子のようなイケメンとして知られたアイマール。すっかり髭面になった今でも、渋さを増して相変わらずのいい男ぶり。番組自体も良かったが、ダーヴィッツやアイマールの姿も見られて得した気分だ。

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