「ボクらの時代」小野×稲本×高原




毎週日曜の早朝に放送される、フジテレビのトーク番組『ボクらの時代』。今週は不惑を迎えた「黄金世代」、小野伸二・稲本潤一・高原直泰の3人が集い、興味深いトークを展開していた。

レストランの丸テーブルを囲んで真ん中に小野、その右に稲本、左には高原と、3人が並んでのトーク開始。同局の特集番組、『ワールドカップをめぐる冒険~』を先日見たばかりだが、その時と全く同じ構図で続編みたいな印象だ。

長年に渡り日本のサッカーを牽引してきた3人。小野は現在J2のFC琉球でプレー、稲本もJ3のSC相模原に所属する現役選手である。そして高原は九州地域リーグ・沖縄SVのオーナーであり、それに加えて選手と監督も兼任するというフル稼働状態。


高原はスポンサーへの挨拶回りもあったということで、ただ1人スーツ姿で登場。試合の映像を撮りパソコンに取り込んで、編集までこなす多忙な高原に、稲本は「スゲえやんか、意味わからん」と呆れながらも感嘆しきりだ。「コーヒーもつくってるもんね」と感心が止まらない稲本に、高原と小野は「内地(本州)からいつ来んの?」と、すっかり沖縄に馴染んでいる様子。

話題はまず、小野と高原の出逢いから。静岡県生まれの二人は、小学五年生の時に初顔合わせ。その時小野は、コーチと間違えるくらい身体のデカかった高原にビックリ。試合も0-8とボロ負けし、「凄かった。絶対勝てないと思った」と、初めて対戦した時の思い出を語る。

習い事の一つとして、サッカーを始めた稲本。その流れでプロ入りまでたどり着いた彼は、典型的なサッカーエリート。いっぽう10人兄弟の小野は家に金がなく、とてもサッカーチームに入れるような環境ではなかった。それでも彼の才能を見込んで面倒を見てくれる指導者に出逢い、おかげでサッカーを続けられたと言う小野。

そして高原は中学生時代、親に頼み込み新幹線を使っての通学。そういった親の理解がなければ今の自分はないと、感謝の思いを口にする。

3人揃っての出会いは、中二の終わりのU-15代表合宿でのこと。そのヨーロッパ遠征で同部屋だった小野と高原が、ある日寝坊をして遅刻。そして二人を起こしに部屋に来たのが、現JFA会長の田島幸三さんだったらしい。この時の遠征はU-18代表チームと合同、そこには中田英寿の姿もあった。

一緒になったU-18メンバーにサインを貰っていた小野と高原だが、中田だけはくれなかったと愚痴をこぼす。「ヒデさんはその頃から、一人コミュニケーションの取り方が違っていた」と印象を語る二人。「あとは皆、いい人だったね」と本音を漏らす小野に、稲本は下を向いて苦笑。小野は「ヒデさんもいい人だけどね、今となれば。その時は“エーッ”と思ったけど」と笑いながら、すかさずフォローを入れる。

プロ入り後いきなりA代表に招集された小野。食事時に座席を迷う小野と、同じく初招集の市川大祐に、「ここで」とキング・カズが声を掛けてきたというエピソードを披露。小野は「この席いいの?やっべー」とドキドキしたようだが、そこからカズとの相席が続き、色々な話をして貰ったと感慨深げだ。

トークは「サッカーを辞めようと思ったことは」という話題に。小野の味わった挫折が、06年ドイツ・ワールドカップのオーストラリア戦。小野が79分に途中投入されたあと、日本は立て続けに3失点。終盤の十分間で屈辱的な逆転負けを喫してしまった、あの試合だ。

それ以降、自分の中の炎が消えかけたという小野。一度は引退を考えたと、当時の辛い気持ちを振り返る。その気持ちを理解する高原、稲本にも話を振るが、「いや、ないなぁ。そんに繊細な心、持ち合わせていない」と、らしい答えで笑いをとる。

長年日の丸を背負ってきた、彼ら黄金世代。若い時はそうでもなかったが、年を重ねるごとに代表の重みを感じるようになったという。そのあとは、昔と変わってきた海外移籍事情に関する話。若くしてJリーグを飛び出した3人は、海外で経験を積むことの大切さを説く。

最後の話題は、現在の立ち位置と近づいてきた現役引退の時期について。J3クラブ相模原との契約を更新した稲本、ホームは人工芝で練習場所は公園。控え室もあったりなかったりと厳しい環境だが、プレーへの意欲は衰えない。「求めてくれるクラブがあれば」と現役続行には前向きだが、カテゴリーを下げてまでとなると、悩みどころの様子。

小野の「何歳まで続けたい?」の問いかけに、「(高原は)自分のチームやもん。でも引き際は難しくない?」と投げかける稲本。高原は「周りの選手が一緒にプレーできると認めてくれるうちは、現役を続けたい」とまだ色気充分のようだ。

小野は「俺はやれるまでやりたい」と意欲満々。だが、「カズさんを越えるまでやりたいと公言していたけど・・・。あと13年出来るかと思うと、カズさん凄すぎるでしょ」と、レジェンド・キングの偉業には降参気味。

「そんな先の事を考えるより、まず一年一年を頑張ろう」と意見が一致した3人。「試合に出たい」「サッカーがうまくなりたい」のいつまでも変わらない想いが、現役を続ける3人のチベーションとなっているようだ。

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