《 サッカー人物伝 》 ルイジ・リーバ

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「サルディーニャの雷鳴」 ルイジ・リーバ ( イタリア )

イタリア半島から約400キロ、西方の地中海に位置するサルディーニャ島。その自治州都のサッカーチーム・カリアリは、現在セリエAとセリエBを行き来する地方の小クラブである。だがそんなカリアリもたった一度、69-70シーズンにスクデット(優勝楯)を手にしたことがある。

そのクラブに栄光をもたらしたストライカーが、「サルディーニャの雷鳴」と呼ばれ“ジジ”の愛称で親しまれた、ルイジ・リーバ( Luigi Riva )である。ゴールキーパーを震え上がらせる、異次元のパワーと左足の威力。鍛え抜かれた身体でゴールを襲う迫力の姿は、まさに轟く雷鳴そのままだった。

その高い能力でイタリア代表でも活躍。彼の持つ代表通算35ゴールは、今でもアズーリの最多得点記録である。それだけの実績を持ちながら、ユベントスやインテルからの誘いを断り続けたリーバ。そんな彼は現在もなおサルディーニャ島のアイドルとして、敬愛されている。

世界の果てへの到着

リーバは1944年11月7日、イタリア北西部・ロンバルディア地方のレッジューノで生まれた。9歳のとき父親が事故死、苦しい経済環境で14歳になったリーバは工場で働きながら、地元のクラブでプレーをする。しかし16歳で母親も死去、若くして孤独の身となってしまった。

その後、所属したセリエCのレグノナで将来性を認められたリーバは、熱心に誘いをかけてきたセリエBのカリアリへ62年に移籍した。サルディーニャ島に到着した18歳のリーバは、オンボロ飛行機の窓から砂漠のような景色を見て「ここはアフリカか、と思ったぐらいだ」と、その時の心情を吐露している。

とても整っているとは言えないクラブの環境に、「俺はだまされて世界の果てに来てしまった」と一時は自暴自棄になりかけるが、島民との触れ合いで次第に心を和ませていったリーバ。自分を受け入れてくれた町に愛着を抱くようになった彼は、苦しかった少年時代の経験を糧に、チームでの成長を目指すようになったのである。

カリアリへの愛着

こうしてリーバは、ストライカーとしての天性の才能を開花。強引なまでのドリブルでサイドを突破し、左足から放つ強力なシュートで多くのゴールを生み出していった。そして63-64シーズンにはチームをセリエAに昇格させ、66-67シーズンに21ゴールを決めて初の得点王を獲得する。

67-68シーズンには怪我を負いながらも、不屈の精神でトップスコアラーの地位をキープ、連続得点王を獲得した。そして69年のバロンドール投票では、惜しくもジャンリ・リベラに及ばなかったが4票差の2位と活躍を評価された。

そして69-70シーズン、「哲学者」の異名を持つマンリオ・スコーピニョ監督の指揮のもと、3年連続で得点王に輝いたリーバはカリアリをセリエA初優勝へ導く。大都市から離れた地方の小クラブがセリエA優勝を果たすなど、イタリアサッカーの長い歴史でも前代未聞。この快挙はサルディーニャ島の人々を喜ばせ、勇気づけることになった。

イタリアのNo,1ストライカーとなったリーバに、インテルは毎年のクリスマスにピカピカの金貨を送って彼の気を引こうとした。ユベントスに至っては破格となる10億リラ余りの金額を提示した上に、7人の選手をカリアリに差し出してきた。

それでもリーバは「俺は島を離れるつもりはない」と、頑なに頭を横に振った。サルディーニャの地はもはや彼にとって、決して離れることのできない特別な場所となっていたのだった。

サルディーニャの英雄

イタリア代表には、65年6月に初招集。68年の欧州選手権では、再試合となった決勝戦のみの出番ながら、先制ゴールを決めてイタリアの優勝に貢献した。70年のWカップ・メキシコ大会にも出場。準々決勝では2得点を挙げて地元メキシコを打ち破り、死闘となった準決勝の西ドイツ戦でも貴重な1点を決めている。決勝ではブラジルに敗れてしまうが、主力として力を見せた。

だがWカップのあと、オーストリア戦で重い怪我を負ってしまったリーバ。エース不在でカリアリの成績は下降気味となり、リーバも全盛期のパフォーマンスを取り戻せなくなってしまった。74年のWカップ・西ドイツ大会にも出場するが、イタリアは1次リーグで敗退、リーバも無得点に終わった。

76年には再び試合中に大怪我を負い、復帰を目指したが叶わず、78年に34歳で現役を引退した。リーバは引退後もサルディーニャ島にとどまり、カリアリの役員を務めながら少年サッカークラブを創設。

カリアリはクラブとサルディーニャに対するリーバの貢献に対し、彼の付けていた背番号11を永久欠番とした。

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