成人の日となる11日に行われた第99回全国高校サッカー選手権の決勝は、11年ぶりとなる青森山田と山梨学園の戦い。試合は延長PK戦の末、山梨学園が再び青森山田を破って11年ぶり2度目の優勝となった。
前半10分までシュート1本の山梨学園に対し、青森山田が放ったシュートは4本。やや青森優勢で進んだ12分、右サイドでボールを受けた山梨の谷口がスペースの空いた中央へパス、そこに入った広澤が右足で先制シュートを決めた。
追いかける展開となった青森は攻撃の圧力を強めるが、山梨の粘り強い守備阻まれ得点は奪えない。山梨の武器であるDF内田のロングスローによるセットプレーも、GK熊倉が冷静な処理でゴールを守った。
だが後半の57分、その警戒していた内田のロングスローからクリアボールを松木がシュート、キーパー熊倉が弾いたところを、投入されたばかりの藤森が押し込んで青森が1-1の同点とした。さらにその6分後、右サイドを抜け出した藤森の折り返しをエース安斎がスライディングシュート、大会5点目となるゴールで2-1と逆転する。
そのあとも攻勢を続ける青森だが、山梨キャプテン熊倉が好セーブを見せて追加点を許さない。そして終盤に入った78分、リスタートからの速攻で笹沼がスルーパス、キーパーが飛び出してこぼれた球を、詰めていた野田が左足で決めて2-2の同点とした。
試合は10分ハーフの延長に突入、それでも勝負はつかず優勝の行方はPK戦に持ち込まれた。山梨学園は今大会3回目のPK戦、守護神で主将の熊倉は絶対の自信をもってこの勝負に臨んだ。両チーム1人目が成功し、青森山田の2人目として登場したのはエースの安斎。
熊倉はじっと我慢で安斎の動きを見極め、完璧にコースを読んで左に横っ飛び、中学時代のチームメイトのPKを阻止した。そのあと青森4人目の三輪がシュートを外し、最期に谷口が決めて山梨学園が2度目の優勝。
好選手を揃えた青森山田相手に劣勢を強いられた山梨学園だが、粘り強い守備と少ないチャンスを生かす勝負強さで見事に全国高校一の栄冠を勝ち取った。青森山田は前大会に続く準優勝、多くのチャンスを作ながら決めきれなかったことが敗因となった。