スポンサーリンク
スポンサーリンク

「サッカーの園 ~究極のワンプレー~」ごっつぁんゴール

スポンサーリンク
スポンサーリンク
ごっつぁんゴール

珠玉のワンプレーに秘められた極意に迫る『サッカーの園 ~究極のワンプレー~』、今回のテーマは【ごっつぁんゴール】。たまたまのラッキーで簡単に決めているように見えるが、こぼれ球の予測や駆け引きなど、その本質には隠された極意が満載だ。

ゲストに登場したのは番組準レギュラーの中澤佑二と、“キング・オブ・ごっつぁんゴーラー” こと武田修宏。かつて初期Jリーグを彩った人気スターも、今やチャラいだけの童顔おっさん。セーターの両腕を結んで肩に引っかけるという、もはや一部の業界人しか見かけないような80年代スタイルで登場だ。

てなわけで、一人目のエントリーは「元祖ごっつぁんゴーラー」の武田さん。先日亡くなったイタリアのパオロ・ロッシに憧れ、そのプレースタイルは早くも清水東高校のときから始まっていたらしい。

ごっつあん王 武田修宏

「ラッキー」「おいしい」という意味に捉えられている「ごっつあん」のワード。だが元々、高校時代に先輩たち(2年先輩に長谷川健太、堀池巧、大榎克己の “清水三羽ガラス” が在籍)のお膳立てでゴールを決めたとき、手で「すみません」のポーズをとったのが、「ごっつぁん」したように見えて、それが「ごっつぁんゴール」の由来になったとのこと。

武田さんの「ごっつぁん」極意その1は、【こぼれ球を予測して走り続ける】。誰かがシュートを打ったら、止まらずに球がこぼれることを予測して走り続ける。もちろん無闇に走っているわけではなく、味方、GK、相手DFを広い視野でとらえ、最適なポジションに入ることが肝心だ。

極意その2は、【当たり前を確実に決める技術】。90分のうち、1~2回は必ず決定的なチャンスがあるという武田さん。大事な試合でそれを外す人が多い中で、確実に決めるから「ごっつぁん」だと言われるんだ、と独自の理論を展開。

武田さんは壁に向かって毎日1人でシュート練習を繰り返し、フリーのとき自分が思ったところに蹴る意識を植え付けたとのこと。基礎を磨き抜きチャンスをモノにする、これがシンプルにして究極の極意だ。

そんな武田さんが自ら選んだ『究極のごっつぁんゴール』が、93年の清水エスパルス戦。カズの打ったシュートが右ポストに当たり、跳ね返りを予測した武田さんがいち早くボールに詰めて見事な「ごっつぁん」ゴール。広い視野と経験による予測と、正確にゴールへ決める技術が生んだ、武田さんらしいゴールだ。

現役最強 興梠慎三

2人目のエントリーは「現役最強ごっつぁんゴーラー」、興梠慎三選手。Jリーグ記録となる9年連続2桁ゴールを継続中の、浦和レッズのエース。鹿島アントラーズでデビューした興梠選手は、元来ドリブラー。シュートは決して上手くなく、FWとして伸び悩んでいた。

そこで参考にしたのが鹿島の先輩である柳沢敦、ゴール前でフリーになる動きを見て点の取り方を研究したそうだ。こうして真似をすることから始めた興梠選手は、ドリブラーから「ごっつぁんゴーラー」としてプレースタイルを変えていった。

そんな興梠選手の「ごっつぁん」の極意は、【緻密な分析】。味方選手の特徴を頭に入れ、分析に基づき動き出し。ポジションを修正しながらフリーとなり、ボールを呼び込む状況を作り出すのが、興梠選手の得点力の秘訣だ。

緻密な分析でフリーになる興梠選手の『究極のごっつぁんゴール』が、16年の湘南ベルマーレ戦。ペナルティーエリアの外でボールを受けた興梠、シュートは無理だと判断してレフティの柏木にパス、利き足の反対側にスペースが空くのを見越して逆サイドに動き、思惑通りにゴールを決めた場面。緻密な分析で自らチャンスをつくり出した、【進化形のごっつぁんゴール】だ。

山口蛍のごっつぁんミドル

3人目のエントリーは、ヴィッセル神戸の山口蛍。こぼれ球のシュートを打つのはペナルティーエリアの外から、番組が名付けるところの「ごっつぁんミドル」の名手だ。中盤の底で守備に奔走し、攻撃に転じれば休むことなく敵陣にオーバーラップ。まさに日本最高の「ボックス・トゥ・ボックス」プレイヤーと言えるだろう。

一歩下がった位置どりで広範囲のこぼれ球に対処、鋭い出足でボールを捉え、ミートのうまさで正確なミドルを打てるのが、山口選手の「ごっつぁんミドル」の極意だ。16年のW杯アジア最終予選、イラク戦で決めた鮮やかなミドルは、まさにその集大成となった。

このあとは、Jリーグで生まれた「ごっつぁんゴール」の名場面集。いつの間にか中東へ移籍しちゃったオルンガ、スモウ大好きポドルスキー、先日ジュビロのコーチに就任したゴン中山、そしてスタジオ前園さんと中澤さんの「ごっつぁんゴール」が紹介される中、田中達也選手の “まさかの背中ゴール” が4番目にエントリー。

13年のアルビレックス新潟 vs. 大分トリニータの試合、大分GK清水圭介のパントキックが、定位置に戻ろうとする田中選手の背中を直撃、跳ね返ったボールがまさかのゴールインしてしまった場面だ。ただこれは田中選手の「ごっつぁん」というより、GK清水選手の「珍プレー」というべきだろう。でも最近、同姓同名の選手がJリーグで活躍しているのでちょっとややこしい。

伊東輝悦の【世紀のごっつぁんゴール】

最後のエントリーは、96年アトランタオリンピックのブラジル戦で、『マイアミの奇跡』を起こした伊東輝悦選手の【世紀のごっつぁんゴール】。伊東選手は46歳となった今でも、J3アスルクラロ沼田で現役を続けているそうだ。

スター選手を揃えたブラジルの猛攻を耐え、0-0で折り返した後半の27分。ゴールへ走り込んだ城選手の前で、ボールをクリアしようとしたブラジルのアウダイールとGKジダが交錯。転がっていくこぼれ球に、後方より駆け上がった伊東選手が流し込んで貴重なゴールを挙げた。

この場面、伊藤はペナルティーエリア近くから城に縦パス、その返しを前園がボールキープし、左サイドの路木にパスを送る。前方へ大きなスペースを見つけた伊東は、前園がタメを作る間に一気にオーバーラップ、路木からのロングボールに反応していった。これが【80mのオーバーラップによるごっつぁんゴール】となる。

これは決して幸運だけの結果ではなくて、スカウティング通り相手の弱点を突いた戦術から生まれたゴール。連携とスピードに不安を抱えるアウダイールの背後を狙うという共通意識のもと、数少ないチャンスの場面で日本の選手が連動。だからこそ伊東選手は、ボランチの位置から80mを駆け上がっていけたのだ。

ということで前園さんが選ぶ「究極のごっつぁんゴール」は、“ごっつあんキング” の武田さんに決定。もっとも興梠選手や山口選手のは、プレーレベルが高すぎて「ごっつぁん」って感じじゃないし、まあ武田さんありきの企画ってところなんだろうね。

タイトルとURLをコピーしました