今週の『千鳥 相席食堂』は、知らざれる薬味の魅力を深掘りする【薬味相席】の旅。今回ロケを行うのは、『R-1グランプリ』準優勝で注目されたZAZYと、ベテランの域になった狩野英孝のピン芸人2人。
最初に登場した相席旅の舞台は、青森県の三戸郡田子町(たっこまち)。ニンニクの生産量が日本一、寒暖差の激しい土地で育まれ、品質も日本一というガーリックの里だ。
そんな田子町の川を土左衛門のように流れてきたZAZYは、立ち上がると金髪を濡らしたまま「どうも、無人島0円生活の土屋アンナです」と、カメラに向かって一発。
ノブは「ちょっと噛みかけていたけど、全然オモロさが勝ってたね」と手を叩いて大喜び、大悟も「ただの川流れではございません」とさっそくの高評価。
「ロケのイメージは無かったな」という千鳥。実はZAZY、今回がロケ初体験とのこと。今年の『R-1グランプリ』ではファイナルに進みながら、痛恨のミス(クリップ事件)でネタを台無ししてしまうという大失態。でもそれが逆に幸いし、最近テレビ出演が増えてきたのは怪我の功名。
もう一つの相席旅の舞台は、静岡県伊豆市。清流と温泉に恵まれた伊豆市は、ワサビの生産が盛んなことでも知られる土地。そんな中伊豆の、天城山トンネルの奥から走ってやってきたのは、あの天然ピン芸人 狩野英孝。
英孝ちゃんは「(ハアハア)今回は相席食堂に、ええとォー(ハァー)、初めて参加させていただきます」と息を切らしての挨拶。持ちギャグも「ラメん、ツケメ、ボクイケメー、カノワワです」と舌がまわらない。
千鳥は「走るからやー」「こんなに流せれるんや、自分のギャグ」と呆れながらも大爆笑。
さっそく地元の駅の道を訪ね、“チョイ辛わさびソフト” の食レポを行う狩野。大きなジェスチャーを加え、「めっちゃわさびー、でもホントにチョイ辛だ。これでも、これでも、お子さんにも受け入れられますもんね」とそつなく名物を御紹介。
ソフトを手に歩く狩野は、次のスポット「浄蓮の滝」へと自然な流れで誘導。これに大悟は、「テンポ良くロケもしてんなー。なんか慣れた奴みたいに」と感心した模様。
目的の滝に近づき「耳をそばだてて下さい。もうすでに滝の音が聴こえますね」と立ち止まる狩野。「そばだてて!?」と違和感に声を揃える千鳥の二人は、気取ったスタイルのリポートに「行けはよ」「(ソフト)食えはよ」とイラついた様子。
ここで狩野は、石川さゆり『天城越え』の歌碑を発見。「雰囲気で歌ってみますか」と歌詞をなぞりながら、ポップな即興ソングを披露する。
ノブは「嫌な歌にするなあー」としかめっ面。大悟も「めっちゃええ歌なのに、なんでそんなテンポで歌うん?」とクサしながら「食え!はよソフトクリームを」と一言。しかし狩野がソフトをマイク代わりに使うのを見て、「まんまとやられてる? なんかロケ上手やで 」。
次は滝の売店の覗き、自らが擦ったワサビを一口パクリ。あまりの辛さに咳き込むが、置いてある “わさびらむね” を口に含むと、狐につままれた表情で「消えた」。
それならばと、その効果を試すべくさらに多くのワサビを口に含む狩野。咳が止まらなくなり、ラムネを一気に飲み込むも、喉に詰まったのか地面にリバース。
「きたねえな、なんじゃこいつ」と言いながらもノブは大爆笑。ようやくえづきが収まった狩野は、再びラムネを飲んでの「消えたあ」としたり顔。この茶番に千鳥は「消えたあじゃねぇわ、お前は出してんねん」のツッコミを入れる。
「どうですオープニング。もうひとパターンいきます?」と、薄手のワンピースに着替えなおすZAZY。そのとき、犬を連れて土手を散歩するご老人を見つけ「こんにちは」と手を振ると、「(寒いのに)ずいぶん強いやつだな」の、意表を突く返し。
これには、「めっちゃいいツッコミやん」「こんなとこに天才がおったか、お笑い第一世代や」と千鳥の二人が大ウケ。
田子町に住みながら「俺はニンニクが大嫌いだから」と答える御年86歳のご老人。「俺は行ったことがない」というガーリックセンターを教えられて、ZAZYは次のスポットへ向かう。
カットが切り替わると、なぜか黄金の翼をまとったZAZAYのバックショット。ノブは「フェニックスやん」と腹を抱えて大笑い。大悟は「なんでー、各局こいつをロケに行かしてないんやろ」とその面白さに太鼓判。
ZAZYのシュールな扮装は、たどり着いたガーリックセンターでも大ウケ。R-1を観たお姉さんからは「なんそれ」と歓迎され、いつまでも笑いの止まらない店員に「こんなにウケるんですね」とZAZYは驚きを隠せない。
店員お勧めの飲み物は、田子町の名産 “ジャッツ!タッコーラ”。「ジャッツ」とは地元の人がびっくりしたときに口にする言葉で、「じぇじぇじぇ」みたいな意味とのこと。
黄金の翼を背負った店のお姉さんに案内された和風スナックで、田子町のにんにく郷土料理 “つつけ” を食レポ。つつけを食したZAZYの感想は「すごいですねニンニクのパンチが。胃がびっくりしてます、ジャッツ言うてます」のキレイなオチ。
ここで千鳥の二人は「ロケ上手やな、なんか」「うん、初めてと思えんな」と感心しきり。
一方、伊豆でワサビ旅を続ける狩野は、地元の有名店で “わさび丼” を食レポ。ご飯の上に鰹節、それにワサビを乗っけて廻りに醤油を垂らすだけという、シンプルな料理を味わう狩野。
「やっぱワサビって日本人ならではないですか、だから日本人の魂がこもっているというか。わびさび効いてますって言うけど、そっから来てるんですか?」と、良さげな字面だけを並べた薄っぺらコメント。
「腹立つわー」と呟く千鳥だが、そんなんでも店主には響いたようで「心に染みたよ。涙出そうだった、本当に今」と感激のおももち。
それで調子に乗ったのか、丼を片手に「お父さん、合格」と英孝ちゃん。「何に合格しました?」と問い直す店主へ、「僕の舌に」と一言。
「えらそうに・・」とノブは舌打ち、「下手なんか上手なんか・・」と大悟。「気持ち悪いな、狩野のロケって」「変な会話やったな」「噛み合ってそうで噛み合ってなかったよな」「低姿勢のようで偉そうやし」と評価はダダ下がり。
ZAZYのロケは2日目に突入。再び川流れで登場すると、おさげ髪で「どうも、子役の頃のベッキーです」。ノブは「ハーレイ・クイーンやん。ベッキーこんなんじゃなかったよ」と苦笑い。
川でガチ眼鏡を無くしてひと騒ぎするも、婦人物を手に入れてロケ続行。ニンニク農家の山本さんを紹介して貰い、畑での栽培の様子を取材。何故かその畑には、黒レザーに身を包んだビッグアーティストの姿が!。
「何で急に、X JAPANのトシさんなん?」とノブ。黒いカツラとグラサンを着けたZAZYの顔は、特徴的なアゴがXのトシにまるでそっくり。千鳥も笑いを堪えられない。
生ニンニクの食べ方を、農家の山本さんに教わるZAZY。だが「豚肉とニンニクを組み合わせれば、薬のアリナミンになる」の説明には、「・・・?」の表情。
「ホントですか。どのテレビ番組でも聞いたことないんですけど」確かめるZAZYに、「ドイツの博士が考えたらしいです」と山本さん。
それに首をかしげ「ドイツの博士が考えた?・・ 豚肉とニンニクが合わさるとアリナミンになる? ・・・ なんそれ!」と、ZAZY史上一番にハマった持ちギャグの落とし。
千鳥の二人は手を叩きながら「まさに なんそれ」と大爆笑。「ここに持ってくるんだ。なんそれが決まったね」の絶賛モードだ。
ガーリックセンターに戻ったZAZYは、にんにくフルコース・ランチの “田子ガーリックステーキごはん” を堪能。
そのテーブルで、Xトシ → ひばりフェニックス → ピンクのチューブトップと七変化を見せるZAZYに、「勘違いすんな、ロケって着替え芸じゃないんだから」と大悟。
最後に “世の中にいない人” のポストカードを、お世話になったガーリックセンターの皆さんにプレゼント。「象乗ってるのにソリティアするやつ」「前歯が奥歯のやつ」「B’zの3人目のやつ」とZAZYらしいシュールさに、みんなは大喜び。良い感じでロケは終了した。
かたや、筏場(いかだば)のわさび田で、収穫体験を行う狩野。その様子をしばらく見ていたノブは、「もう我慢できんわ。ずっと気持ち悪いねん」とVTRをストップ。大悟も「なんか、テンポと言葉のトーンだけ上手いこといってるんやけど、内容聞いたらひとつも上手いこといってない」とバッサリ。
「キレイに収めてる風なのよ、全部ロケ風なのよ」「ロケ慣れしてるからああいうテンポでは喋れるんよ」と二人は手厳しく指摘。でも、その自覚のない上っつら芸が、英孝ちゃんの持ち味なんだけどね。
最後は “本家鮪屋” でワサビに合う自慢のメニューを堪能。ワサビをたっぷりつけたマグロを一口味わうと、料理に合う日本酒を所望。だが「全身の毛穴が開きますね」のコメントには、「雰囲気はいいけど、質が悪いな」と大悟。
つぎに “あわび刺身” を食すと、コメントまでの間をたっぷりとる英孝ちゃん。大悟の「このあと45点ぐらいのこと言うから、ご期待下さい」の言葉通り、またもや雰囲気だけの薄っぺらい感想。
千鳥の評価は、「トータルどうですか、ZAZYの勝ちじゃないですか」「ロケの上手さもZAZYの勝ち」「雰囲気は確かに英孝ちゃん良かったけど、出来てないよー」というものでした。