熱戦が続くユーロ2020も後半戦に入り、大会もいよいよ佳境。決勝トーナメントの1回戦では優勝候補筆頭のフランスが敗れるなど、強豪チームが次々と敗退。混迷の様相を呈してきた。
まずは大波乱となったフランス対スイス戦。前半15分にスイスのリードを許したフランスだが、好調ベンゼマの2ゴールとポグバの鮮やかなミドルシュートで3-1と逆転。残り10分までリードを続け、フランスが順調に勝ち上がりを決めるかと思えた。
しかし81分に1点を返されると、ロスタイム直前の45分にも失点。フランスは守備の甘さから土壇場で追いつかれてしまった。
延長戦は双方得点が生まれず、勝負はPK戦に突入。先行のスイスが5人全員成功したのに対し、後攻のフランスは5人目エムバペのシュートをストップされる。
盤石と思えたフランスだったが、まさかの逃げ切り失敗で敗退。早くも大会を去って行った。
注目されたベルギーとポルトガルの対戦は、ベルギーが1-0の勝利。スペイン対クロアチア戦は大熱戦となったが、スペインが延長で2得点を挙げ、5-3で激戦を制した。
そして注目されたイングランドとドイツの試合。予想通りの好勝負となったが、後半76分にスターリングのゴールでイングランドが先制。88分はエースのケインが頭で追加点を決め、ウェンブリー・スタジアムに集まったサポーターを歓喜させる。
こうしてイングランドが2-0の快勝。イングランドは10年W杯の対ドイツ戦で、ランパードのシュートを誤審で取り消され苦杯を舐めた借りを返した。
オランダとチェコの試合は、デ・リフトの一発退場が響いてオランダが0-2の敗戦。やはりファン ダイク欠場の穴は大きかったようだ。
その他の試合は、イタリアが延長でオーストリアに2-0の勝利。デンマークはウェールズに4-0の圧勝、ウクライナがスウェーデンを延長で2-1と下している。
フランス、ドイツ、ポルトガルと「死の組」を勝ち上がった強豪3チームが全滅。クロアチアも敗れ去り、18年W杯の優勝・準優勝、ユーロ16の優勝・準優勝、14年W杯の優勝チームが、1回戦ですべて消えてしまうこという波乱となった。
ベスト8の組み合わせは、ベルギー vs イタリア、スペイン vs スイス、イングランド vs ウクライナ、デンマーク vs チェコに決定。
強豪チームが次々と敗退したため、ここに来てイングランドが優勝候補に浮上。またベルギー対イタリアの強豪対決を制した方が、ファイナルに勝ち上がってきそうな予感。
しかしエリクソンの離脱で結束力を高めたデンマークの勢いも侮れず、92年大会以来のダークホース優勝もあながち夢ではない雰囲気だ。
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