女子サッカー決勝戦の開始時間変更により、前倒しで行われた五輪男子サッカーの3位決定戦、日本対メキシコの試合。
53年ぶりのメダル獲得を狙った日本だが、因縁の相手メキシコに1-3の完敗。世界との差を感じさせる結果となった。
序盤から果敢に攻撃を仕掛けてくるメキシコ。攻守の要として活躍してきた遠藤も、疲れからか動きが重く、簡単にボールを失うなどいつものキレがない。
メキシコ優勢の時間が続いた10分、遠藤がドリブルで突破するベガを止められず、Pエリアで倒してPKを献上。これをコルトバに決められ早い時間にリードを許してしまう。
17分には林のヒールパスに反応した遠藤がゴールに迫るが、オチョアに止められゴールとはならず。その5分後、セットプレーからコルトバのクロスに飛び込んだバスケスがヘディングシュート。ここでも遠藤が簡単に剥がされ、追加点を決められてしまう。
反撃したい日本だが、久保、堂安が厳しいマークに封じられて攻め手を欠く。後半もセットプレーからベガのヘディングシュートを許し、リードを3点に広げられてしまった。
絶望的な状況となったが、打開を図る森保監督は62分に中山と林に代えて三笘と上田を投入。ここから日本の攻撃にリズムが生まれ始める。
67分、自陣からドリブルで駆け上がった三笘が上田にスルーパス。しかし上田のシュートはオチョアのセーブに弾かれてしまった。76分、ドリブルで切り込んだ三笘が上田へラストパス、そのシュートはオチョアの正面を突いてしまう。
77分、久保の横パスを受けた三笘が鋭い切り返しから深く攻め込んで左足シュート。見事オチョアの頭上を打ち抜いてゴールが決まった。
80分には遠藤に代えて三好を投入。日本は攻撃的布陣でメキシコゴールを目指す。しかしこれによって左サイドが詰まり気味となり、三笘が勝負を仕掛けるスペースが無くなってしまう。
88分には久保の右プレースキックから、中央でフリーとなった旗手が決定的なシュート。だがこれは惜しくもゴール左に外れていった。90分には中央をドリブル突破した三笘がシュート。これまたゴール左に外れ、日本がチャンスを生かせないまま90分が終了する。
日本はメキシコに1-3の完敗を喫し、68年メキシコシティー大会のリベンジを果たされた格好となった。
中2日と厳しい日程の中で、よく戦ったといえる日本代表。しかし、まだまだ世界との差は大きいと実感させられた。ノックアウトステージに入って僅か1得点と、上位での戦いに決定力不足を露呈したのが今後の課題だろう。
惜しむらくは三笘の使い方。怪我さえなければグループステージから攻撃の切り札となり、もしかしたらノックアウトステージの結果も変わっていたかもしれない。
試合終了後、ピッチに伏せ涙に暮れた久保健英選手。この悔しさを、来年のワールドカップで晴らせるよう頑張って欲しい。
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