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映画「ライトスタッフ」

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男のロマンとヒロイズム

83年公開のアメリカ映画『ライトスタッフ』は、トム・ウルフによるノンフィクション「The Right Stuffをもとに、有人宇宙飛行計画 “マーキュリー計画” に従事した男たちのロマンとヒロイズムをスケール大きく描き出した傑作。

監督フィリップ・カウフマンは、ヒーローの「ライトスタッフ(正しい資質)」を事情豊かに浮かび上がらせ、この“アメリカ宇宙航空史” に永遠の輝きを与えた。

“音速の壁” に挑む実在のテストパイロット、チャック・イェーガーにはサム・シェパード。アメリカ初の軌道周回飛行の任務にあたる宇宙飛行士、ジョン・グレンをエド・ハリスが演じている。他の出演者にスコット・グレン、フレッド・ウォード、デニス・グエイドなど。

宇宙に挑む「ライトスタッフ」たち

第二次世界大戦直後の1947年、アメリカ空軍テストパイロットのチャック・イェーガーは不屈の精神で音速の壁を破り、航空史に新しいページをもたらした。

だがその栄光も、やがてソ連による初の人工衛星“スプートニク1号” の打ち上げ成功のニュースに覆されることになる。慌てたアメリカ政府は、新たに米航空宇宙局「NASA」を創設。厳しい審査を経て7人のパイロット「マーキュリー7」が選ばれる。

イェーガーのチャレンジ精神を受け継ぐ彼らは、様々な困難を乗り越え「マーキュリー計画」のミッション達成に邁進。ジョン・グレンを始めとする「ライトスタッフ」たちが、次々と宇宙へ挑んでいった。

アメリカの宇宙開拓史

まさにアメリカ開拓史の宇宙版といった映画。フロンティア精神、男たちのヒロイズム、大空へのロマンチシズムと、アメリカらしいテーマ性とメッセージ性に溢れた作品になっている。

ソ連との宇宙競争の中、危険を承知で困難なミッションに挑み、人類未到の分野に踏み込もうとする男たちとその家族の物語。カウフマン監督はそんな彼らを英雄として誇張することなく、フラットな目で描き出し、上質の人間ドラマを生み出した。

「マーキュリー計画」には参加しなかったが、黙々とテストパイロットの任務に打ち込むイェーガーの生き様と男の矜持も感動的。この孤高の飛行士をサム・シェパードが颯爽と演じ、その人間像に説得力を与えている。ちなみにシェパード本人は、死ぬほど飛行機が嫌いだったとのこと。

日本では短縮編集された160分版が公開。ソフトは193分の完全版が発売されている。ビル・コンティによる勇壮なテーマ曲も印象的で、現在では開拓ものBGMのスタンダードとなっている。84年の第56回アカデミー賞では編集賞、作曲賞、音響賞、音響効果編集賞を受賞した。

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