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「サッカーの園 ~究極のワンプレー~」センターバック

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現代サッカーでは戦術のカギを握る役割

サッカーの奥義をテーマ別に深掘りする『サッカーの園 ~究極のワンプレー~』、今回のお題は【センターバック】。前園さん曰く、「守備の要となるだけではなく、現代サッカーでは攻撃の起点として戦術のカギを握る」役割とのこと。

ちょっと渋めのテーマかと思えたが、なかなかどうして見応えがあって面白い内容となった。プレゼンターには準レギュラーにして日本を代表するCBの中澤佑二さんと、番組初登場となる中山雅史さん。今や女性ゲスト常連となった笹木かおりさんが出演。

炎のストライカーとして知られる中山さんだが、高校時代は静岡県選抜でCBとして国体に出場して優勝 & MVPを獲得。そしてチームのトップには武田修宏さん、対戦相手には当時ブラジルに渡っていた三浦知良選手もいたなど、超貴重な映像が観られて得した気分。

中澤佑二のDF技

まず始めは、持ち込み企画に張り切る中澤さんがセルフエントリー。その代名詞となるのは “ボンバーヘッド“ だが、代表でCBコンビを組んだ闘莉王さんは「ステップの細かさ」を絶賛。

細かいステップで相手との距離を詰め、隙が出来た瞬間にボールを奪う、まさに「タイマン最強の男」。さらに的確な状況判断で危機を察知、未然にピンチを防いで鋭い読みで相手のシュートをブロック。長く対戦してきた大久保嘉人さんも称賛する1対1の強さが、中澤さんの持ち味だ。

そして闘莉王&大久保さんが選ぶ【究極のワンプレー】は、10年W杯・南アフリカ大会のベスト8進出を懸けたパラグアイとの1戦。

スコアレスの前半20分、パラグアイのバリオスが巧みなターンで駒野と闘莉王をかわしてシュート。そのこぼれ球に詰めたサンタクルスを中澤さんが瞬時のカバーで防ぎ、危うくピンチを逃れた場面だ。この試合の「読みと細かいステップ」による中澤さんのディフェンス技が、最初のエントリーとなった。

超攻撃的スタイル、マルクス闘莉王

その次のエントリーは、笹木さんが一番好きだと語るJリーガー 田中マルクス闘莉王 を推薦。屈強なだけではなく、なんと言ってもその魅力はDFの粋を越えた得点力。J通算104得点を誇る、超攻撃的CBだ。

チャンスとみるや、自陣から前線へと駆け上がり攻撃参加。日本代表でも序盤からスルスルと最前線に向かい、DFラインを抜けて味方のゴールをアシスト。さらには胸トラップからのシュート、ドリブルでかわわしてのシュート、バイシクルシュート、華麗なヒールシュートとFW顔負けのプレーを見せ、これには中澤さんも「DF登録してるだけ」と呆れるしかない。

その【究極のワンプレー】が、06年9月の浦和 vs 広島戦。佐藤寿人のドリブルを闘莉王がスライディングでブロック。そのままゆっくり前線に上がると、ボックス近くに居座り攻撃のポジションをキープ。ついにチャンスが訪れると、鋭く切り込んで強烈なミドルシュートを決めたシーンだ。この誰にも止められない「超攻撃的スタイル」が2番目のエントリー。

日本代表歴代キャプテンはCBが多数派

守備で貢献するだけではなく、チームリーダーの役目を負うことも多いCBの選手。93年以降の日本代表では、9人中6人のCBがキャプテンを務めたということで、その面々を紹介。

ドーハの悲劇を経験した “闘将” 柱谷哲二。初出場98年W杯でチームを牽引した “アジアの壁”  井原正巳。トルシエジャパン、“フラット3の申し子” 森岡隆三。ジーコジャパンのキャプテン、“恒さま” こと宮本恒靖。そして現代表の吉田麻也選手らのメンバーに並んで、番組準レギュラーの中澤さんも岡田ジャパンでキャプテンを経験。

10年のW杯本番直前で長谷部誠と役目を交代したが、縁の下の力持ちとして新キャプテンを支えたエピソードが興味深い。

秋田豊のヘディング

3番目のエントリーには、中山さんと熱いライバル関係だった秋田豊さんが登場。磐田と鹿島が覇権を争った2強時代に、エースFW vs 守備の要として激しくマッチアップした仲だ。

ライバルだった中山に対し「自分を成長させてくれた存在」と語る秋田。そのライバルに勝つため磨いたのが、ヘディングの強さだった。

スピードあるわけでも1対1に強いわけでなく、「俺はもうヘディングで飯を食っていく」と決めた秋田さん、トレーニングを重ねて「家2軒」分の活躍を見せる。そしてその熱いプレーには、中山も大いに刺激を受けたようだ。

年間王者を決める97年のチャンピオンシップでは、中山の3ゴールを許して優勝をさらわれてしまった秋田。しかし翌98年のチャンピオンシップでは、中山の頭上を越すヘディングシュートで前年の雪辱を果たす。

二人のライバル関係が生んだ【究極のワンプレー】が、3度目の顔合わせとなった01年のチャンピオンシップ。開始早々に磐田が先制、そのあと鈴木隆行が退場となって鹿島劣勢の展開となる。さらに後半の9分、中山のシュートコースをあえて空けた秋田の狙いが裏目に出て、リードを広げられてしまった。

だが2点を追う後半の34分、CKから秋田がヘディングシュートを決めて1点差。これで試合の流れが変わり、ついに鹿島が引き分けに持ち込む。そして第2戦を1-0と勝利した鹿島が年間王者に輝き、秋田の闘志がライバルを制することになった。

秋田さんが中山さんに勝つために「ライバル心で磨いたヘディング」が3番目のエントリーだ。

マリノスの名ディフェンダー、小村徳男と松田直樹

続いては恒例となった《クイズの園》のコーナー。「CBでJ史上初となる、ハットトリック達成者は?」の問題に、闘莉王、秋田の名前が挙がる中「小村徳男」とマリノスでチームメイトの中澤さんが正解を回答。

その記録が生まれたのが96年の対広島戦。まずこぼれ球を押し込んで1点を奪うと、そのあとCKに頭で合わせて2点目。さらに試合終了間際に再びCKからヘディングでハットトリックを達成。試合は3-1と勝利したが、広島の1点は小村のオウンゴールによるもの。両チームの挙げた4得点を、小村ひとりで叩き出したというオチ付きだ。

第2問「CBでJ1最多の警告と退場を受けた選手は?」の問題に、鈴木秀人、森重真人、岩政大樹と名前が挙がる中、正解はこれまた元マリノスの故・松田直樹さん。J1で受けたイエローカードは85枚、レッドカードは4枚と、闘争心あふれるディフェンダーらしい勲章だ。

この小村徳男さんと松田直樹さんが、4番目と5番目にエントリーされた。

次世代CB、中野伸哉

最後に紹介されたのが、173㎝と小柄ながら次世代CBの評判が高い、サガン鳥栖の中野伸哉選手。16歳11ヶ月でJ1デビュー、東京五輪候補にも飛び級選出され、鹿島のMF荒木遼太郎選手、レアルBの中井卓大選手とともにパリ五輪での活躍が期待される逸材だ。

その武器は、豊かなスピードとボールを奪ってからの攻撃参加。左サイドを駆け上がって精度の高いクロスを放ち、現役高校生ながらすでにJ1で4アシストを記録している。

中野選手が目指す【究極のワンプレー】が見えたのは、20年の川崎戦。相手のパスに鋭い出足でプレス、ボールをカットするとそのまま左サイドを駆け上がる。ゴールには繋がらなかったが、自らボールを奪い決定的なクロスを供給するという、理想とする形が見えたプレーだった。

この6人の中から、前園さんが【究極のワンプレーNo,1】に選んだのは闘莉王さん。攻撃の選手だった彼らしく、果敢なビルドアップと得点力を評価しての選出となった。

しかし今回は専門外のテーマかつ賑やかなメンバーに囲まれたこともあり、いつもより大人しい印象の前園さんでした。

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