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「サッカーの園 ~究極のワンプレー~」監督

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テーマは「監督」

4日放送『サッカーの園 ~究極のワンプレー~』、今回のテーマは【監督】。独自の戦術や思い切った選手起用が究極のプレーを導く。指導法・戦術・モチベーションの上げ方など、監督の個性によるスタイルの違いを紐解く企画。

スタジオのゲストには、ハイテンション解説でお馴染みの松木安太郎さんが番組初お目見え。Jリーグ初代年間チャンピオンとなったヴェルディ川崎の元監督として、その奥義を語る。

そして今回は日本サッカーに功績を残した名将の1人として、5月1日に亡くなられたばかりのイビチャ・オシム氏がエントリー。奇しくもオシムさんの追悼番組となりました。

西野朗監督の攻撃サッカー

最初のノミネートは、J1監督勝利数で通算270勝という、歴代1位の記録を持つ西野朗さん。また96年アトランタ五輪代表、18年ロシアW杯代表を率いた知将でもある。

1点を守り切った「マイアミの奇跡」や、18年W杯ポーランド戦の “負け逃げ” の印象が強く、代表では勝利に徹してきた指揮官だが、本当に目指してきたのは攻撃的スタイルのサッカー。

ガンバ大阪で10年間にわたり西野監督の下で戦ってきた遠藤保仁選手は、「失点してもいいからリスクを負うのが特徴」と証言。例えば前半を1-0とした試合でも、後半に守備の選手を下げて攻撃の選手を投入。4-1の圧勝を収める。この攻めの姿勢を貫くスタイルが、西野さんのサッカーだ。

「4点を取られても5点を取れ」の西野サッカーを象徴する【究極のワンプレー】が、05年Jリーグ最終節のフロンターレ川崎戦。この時ガンバを含む5チームが優勝の可能性を残すという、大混戦の状況だった。

遠藤のPKで3-2と勝ち越した直後の後半39分、フェルナンジーニョが2枚目の警告で退場処分。優勝が懸かった試合で1人少なくなるという大ピンチに陥った。しかし西野ガンバはアディショナルタイムに入ってもボールキープで逃げず、逆に攻めて1点を追加。見事な攻撃サッカーで初優勝を成し遂げた。

この西野監督の【貫いた攻撃サッカー】が1番目のエントリー。

「モチベーター」松木安太郎の監督術

続くノミネートは、スタジオゲストの松木安太郎さん。35歳でラモス瑠偉や三浦知良らの「スター軍団」ヴェルディ川崎を率い、Jリーグ連覇を果たした名物監督だ。

スター軍団をまとめた松木さんの手腕を語るのは、当時のメンバーだった柱谷哲二さんと武田修宏さん。武田さんはその秘訣を「一番はラモスさんをコントロールできたこと。松木さんじゃなかったら、ラモスさんと柱谷選手はぶつかっていた」と分析。柱谷さんも「選手を泳がしながらもしっかり上から見ていて、外した選手もよくケアしていた」と証言する。

93年に発足したJリーグの開幕戦は、W杯1次予選終了の1週間後。レギュラーの半分以上が代表選手だったヴェルディは主力の合流が遅れ、開幕1ヶ月は大苦戦を強いられることになった。

さらに10月にはW杯最終予選で再びレギュラーの半分が抜け、あの「ドーハの悲劇」の一週間後にJリーグが再会。代表から帰ってきた選手たちのモチベーションは最悪だった。

松木監督は失意の彼らにいつもと変わらぬ態度で接し、ポジティブな姿勢で対応。するとヴェルディはリーグ再開後9戦全勝の快進撃を見せ、Jリーグ年間初代王者に輝いた。

そして柱谷さんと武田さんの選んだ「究極のワンプレー」が、93年ナビスコカップ決勝の清水エスパルス戦。準決勝までは主力抜きで戦ってきたヴェルディ。だが決勝の舞台に送り込んだのは、代表から戻ってきた主力たち。

それでも試合後半には、主力不在のチームを支えた永井英樹と藤吉信次を投入。松木監督は前に出て選手たちを熱く鼓舞、チーム全体で勝利を掴みにいった。

そして1-1の同点で迎えた後半40分、途中出場の永井を起点にラモスとカズがボールに絡み、最後に北澤豪が決勝ゴール。主力とサブが一体となり、リーグ戦との2冠を達成する。

この【モチベーター】としての監督術が、2番目のエントリー。

イビチャ・オシム監督の「考えて走るサッカー」

3人目のエントリーは、06年から07年にかけて日本代表監督を務めたイビチャ・オシムさん。このとき「考えて走るサッカー」をテーマに掲げて取り組んだのが、カラフルなビブスを使ったパス回し練習。

オシムジャパンで唯一全試合に出場した鈴木啓太さんは、この難解な練習に「最初全く分からなかった」と戸惑うばかり。そのルールは「自分と違う色にパスを出す。ボールを貰った色にはパスできない」というもの。めまぐるしく変わる状況を瞬時に判断しながら、ボールを貰うために動き続けなければならないのだ。

ものすごい運動量と頭を使う練習を続ける中で、選手の意識やプレーの質が変化。やがて本番のピッチでも、ポジションにとらわれず考えて走るサッカーが姿を現していく。

そして鈴木さんが選ぶ「究極のワンプレー」が、オシム監督最後の采配となった07年のエジプト戦。3-1とリードした後半の68分、SBの駒野友一がスペースを見極めオーバーラップ。そのサイドチェンジからフィニッシュを決めたのも、オーバーラップで駆け上がってきたSB加地亮だった。

ディフェンスの選手も戦況を見て果敢に攻撃参加。現代サッカーの潮流となった両サイドバックの攻撃参加を15年前に体現した、オシムさんの【考えて走る】が3つめのエントリー。

だがこの試合から1ヶ月後、オシム監督は脳梗塞で倒れて退任。「正直Wカップで見てみたかった」と惜しむ鈴木さん、「日本サッカー界の新たな可能性を見せてくれた人」とその功績を振り返る。

人柄と攻撃的戦術のミシャ監督

4番目に現日本代表監督・森保一さんが【日本代表最高勝率】でエントリー。その勝率は72%(47戦34勝)と歴代最高、ちなみに2位は勝率65%のオシムさん。5番目には【Jリーガ出身初のJ1優勝監督】元浦和のギド・ブッフバルト監督がエントリーされた。

そして最後に紹介されたのが、外国人監督としてJ1最多の監督勝利数217勝を誇る、現コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチさん。

フレンドリーな人柄で “ミシャ” の愛称を持ち、選手とのコミュニケーションを大切にする人間味あふれる監督だ。またオーストリア・グラーツではオシム監督のアシスタントコーチを務め、来日してからも日本人の文化やメンタリティーを教わったという。

その戦術は、“ミシャ式” と呼ばれるフォーメーションを使った攻撃的なスタイル。3-4-2-1を基本とし、攻撃時には4バックへシステム変更。両サイドが高い位置を取り5トップになる形だ。

ミシャはその狙いを「幅と深さを取ること」と解説。幅とは、ピッチいっぱいに開いた両ウィングの距離のこと。これでボールとの逆サイドにスペースをつくりだす。深さとは、5トップが一列に並ばずジクザグにポジショニングした距離感のこと。このギャップの利用が攻撃にバリエーションを生む。

クライフ率いるバルセロナの攻撃サッカーに憧れていたというミシャ。「守備に重点を置く監督が多いが、私の場合は攻撃が70%」と力説。

その「究極のワンプレー」が、21年の柏レイソル戦。1点をリードした後半開始直後、札幌はワンタッチボールを繋いで相手DFを翻弄。チャナティップの絶妙なパスからトゥチッチのゴールが生まれた場面だ。

ミシャは「とても素晴らしい! 幅と深さを使い人数をかけたこのゴールは、私の哲学がよく表現されている。これはバルセロナじゃないぞ、コンサドーレ札幌だ!」と自画自賛。この人柄と戦術で結果を出した【ミシャ式】が最後のエントリー。

 

この6人の中から前園さんは、今年開催されるWカップへの期待をこめて森保一監督を「究極のワンプレー」に選出。でも実質オシムさんが番組の主役だったよね。

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