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「FOOT × BRAIN」香川真司 対談

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香川真司の現在地

ボルシア・ドルトムントやマンチェスター・ユナイテッドで活躍するなど、日本人屈指の実績を残した香川真司選手。33歳となった今もなお欧州で戦い続けるベテランが、テレビ東京『FOOT × BRAIN』の対談でその心境を語った。

欧州挑戦を始めて13年、ドイツ、イングランド、トルコ、スペイン、ギリシャ、ベルギーと、6ヶ国のクラブを渡り歩いた香川選手。現在プレーするシント=トロインデンVVでも、上を目指し姿勢は変わらない。

若き日の欧州挑戦

香川選手の欧州挑戦第一歩は、2010年に21歳の若さで移籍したドイツのドルトムント。その1年目からリーグ前半のMVPに選ばれる大活躍。2年目の11-12シーズンは31試合で13ゴールを挙げ、クラブを史上初の国内2冠に導くなど、クラブの歴史に名を残した。

ドルトムントのホームスタジアム、シグナル・イドゥナ・パルク(収容人員約8万人)のゴール裏スタンドには、約2万5千のサポーターが声援を送るという迫力の光景が。「あれを見ただけで選手たちはスイッチが入る。僕にとって幸せな光景だった」とその思い出を語る。

ドルトムントでの活躍が名将アレック・ファーガソン監督の目に止まり、イングランドの名門マンチェスター・ユナイテッドへ移籍。ここでアジア人初となるプレミアリーグでのハットトリックを記録するなど、厚い選手層の中でも存在感を見せてリーグ優勝に貢献した。

しかし翌13年にファーガソン監督が勇退すると、後任のデヴィッド・モイーズ監督やルイス・ファン ハール監督に冷遇され、構想外となった14年には退団を余儀なくされる。

プレミアリーグはブンデスリーガより選手個々のレベルが高く、パワー、フィジカル、スピードなどに力の差を感じたという。

欧州サッカーの熱気

復帰したドルトムントで5シーズンを過ごし、19年にはトルコのベシクタシュへレンタル移籍。そのあとスペインのレアル・サラゴサ、ギリシャのPAOKテッサロニキと渡り歩く。

トルコとギリシャでは、他の国では味わえないほどのクラブ愛の熱気を感じたという香川選手。特にギリシャには「何をしてくるか分からない」くらいの危なさがあり、ダービで負けると選手が観客に殴られていたとのこと。「警備員も警察もビビって守ってくれなかった」ため、選手自身がファンを止めていたと苦笑交じりにその体験を語る。

念願だったスペインリーグ(2部)移籍は、コンディション不良もあってラ・リーガ挑戦を果たせないまま20年に契約解除。この頃の苦闘ぶりは、20年正月放送の『The 世界力4』でも描かれていた。

「日本人選手はスペインリーグに合わない?」の問いかけには、「外国人枠(3人)の問題があると思う。テクニカルな日本人は好まれるはず」と香川選手。問題はそれだけじゃない気もするが、今後ラ・リーガで活躍する選手が見てみたところだ。

名指導者たちについて

続いては欧州で出会った名指導者たちについて。ドルトムントの恩師、ユルゲン・クロップ監督に対しては、「リバプールで選手を鼓舞している姿は、あの頃とまったく変わらない。選手を大事にするところと感情表現の豊かさがクロップの魅力」とその人なりを語る。

ファーガソン監督については、「もっと長く一緒にやれれば彼を深く知れたと思うが、あまり練習に来ていなかった」とのこと。「練習は基本アシスタントコーチに任せ、大事な試合の前だけグランドに来て選手を眺めていた」と貫禄の監督術を解説。

そして欧州の指導者たちについては「選手との対話を重要視していると思うし、選手との間にしっかりしたコミュニケーションが存在する」と分析。「コミュニケーションを大事にしている監督には名将が多い」と考察した。

日本サッカーへの提言

欧州サッカーについては、「ファンのクラブへの熱量など、自然とサッカーに賭ける環境が整っている。ヨーロッパは最高の自分が目指せる場所」とその魅力を語る。

今年その舞台で日本人選手として歴史に名を刻んだのが、ヨーロッパリーグ優勝を果したフランクフルトの長谷部誠選手と鎌田大地選手。

この快挙に「いやもう凄い嬉しかったです。これはもう結果を掴んだ人しか分からないし、羨ましい」と香川選手。「長谷部さんのやってることはもっと評価されていい。リスペクトしている」「鎌田はスゴク好きな選手。見ていても面白いし、テクニック、クリエイティブな部分はドイツでもあまりいないプレイヤー」と二人の日本人プレイヤーを絶賛する。

日本サッカーの課題については、「日本には和を乱さない良い雰囲気で練習をするという文化があると思うが、海外では自己主張・自己表現がフォーカスされる」と分析。「ヨーロッパのように練習から本気でぶつかることが、選手の成長に繋がるのではないか」と己の経験からの提言を行なう。

また「海外で生き残るために必要なこととは」の問いかけに、「ブレない自分のベースを築き上げること。何のために海外に来たのかという目的意識を持ち続ける選手が、上まで行くと思う」とアドバイスを送る。

最後にこれからの自分自身については、「短期的にはワールドカップも視野に入ってくるけど、とにかく日々のトレーニングで成長していくこと。その目標があるから戦い続けられる」と香川選手。プレイヤーとしての意欲にまだまだ衰えは見られない。

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