20日、FIFAワールドカップ2022のカタール大会が開幕。メイン会場となるアルベイト競技場では、歌と踊りによる開会セレモニーが行なわれ、無数の花火と大歓声で大イベントのスタートを盛り上げた。
そして盛大なセレモニーのあと、同競技場で開幕戦となるカタール vs エクアドルの試合がキックオフ。約1ヶ月にわたる熱戦の火蓋が切って落された。
試合はエクアドルが鋭い出足で主導権を握り、開催国カタールを圧倒。開始2分過ぎにはセンターライン付近からのCKをエストラダが頭で繋ぎ、DFトレスが豪快なバイスクルキック。これが絶好の浮き球クロスとなり、ファーに飛び込んだエンネル・バレンシアが頭で叩き込んでゴール。エクアドルの先制点が決まったかに思えた。
だがこの場面で、「セミ・オートメーテッド・オフサイド・テクノロジー(半自動オフサイド技術)」が発動。ヘッドで繋いだエストラダの右足が、わずかにオフサイドラインを越えていたと判定され、ゴールは認められなかった。
これは今大会から導入されたオフサイド判定補助システムで、12台のカメラで選手の位置を観測、ボールに埋め込まれたセンサーでキックの瞬間を検知するものだ。このとき人工知能(AI)がオフサイドと判定すると、ビデオ・マッチ・オフィシャル(VMO)に通知。会場のモニターにはオフサイドの瞬間を再現した3Dアニメーションが映される。
出鼻を挫かれた形のエクアドルだが、その勢いは止まることなく、16分には自陣から速い縦パスを繋いでPKを獲得。自ら得たPKをバレンシアが落ち着いて沈め、今度こそ先制点が決まった。さらに31分、プレシアドの右クロスにバレンシアが頭で合わせて追加点。14年ブラジルW杯でも3得点を挙げたバレンシアの活躍で、エクアドルが2-0の快勝を収めた。
W杯出場経験のないまま初の大舞台に臨んだカタールは、プレッシャーがあったのか思うように力を発揮できず敗北。開催国が史上初めて黒星発進を喫するという、不名誉な記録をつくってしまった。
前半は観客で埋め尽くされたスタンドも、後半は帰宅するサポーターが続出。試合終盤には空席が目立つという寂しい状況になってしまった。次戦(セネガル)での奮起が期待される。
大会は2日目まで進み、イングランドがイランに6-2の勝利、オランダがセネガルに2-0の勝利、アメリカとウェールズは1-1の引き分けという結果となっている。
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