『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が最多7冠に輝く
米アカデミー賞の授賞式が12日(日本時間13日)にロサンゼルスのドルビーシアターで行なわれ、前評判の高かった『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(通称エブエブ)が作品賞のほか、監督賞、脚本賞(ともにダニエル・クワン、ダニエル・シャーナイト)、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、編集賞と主要7部門を独占。
マルチユニバース(多元宇宙)を題材としたSFアクション『エブエブ』は、奇想天外にして多彩な物語世界で観客を魅了。アジアンパワーによる抜群の面白さが支持され、今回の最多部門受賞となった。
中国系マレーシア人のミシェル・ヨーは、アジア初となる主演女優賞のオスカーを獲得。そして助演男優賞に輝いたキー・ホイ・クアンは、ベトナム難民から人気子役となり、スピルバーグ作品などで活躍。一時俳優業から退いていたが見事なカムバックを果し、授賞式会場ではプレゼンターのハリソン・フォードや監督賞ノミネートのスピルバーグと喜びの再会を果している。
その他の受賞
『エブエブ』の対抗馬とされた『イニシェリン島の精霊』(マーティン・マクドナー監督)と『フェイブルマンズ』(スティーヴン・スピルバーグ監督)はともに無冠の結果。注目の大ヒット作『トップガン マーヴェリク』は音響賞を受賞、『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』は視覚効果賞を受賞している。
主演男優賞に輝いたのは、『ザ・ホエール』で巨体の引き籠もり男を熱演したブレンダン・フレイザー。長い低迷期を経てのオスカー獲得となり、涙の受賞スピーチを行なった。
そのほか西ドイツ制作のNetflix配信作品、『西部戦線異状なし』が国際長編映画賞、撮影賞、作曲賞、美術賞の4部門で受賞。歌曲賞を受賞した話題のインド映画『RRR』は、会場の舞台で圧巻のダンスパフォーマンスを披露。授賞式を盛り上げた。
黒澤明監督のリメイク作品、カズオ・イシグロ脚本による『生きる LIVING』(主演男優賞、脚本賞ノミネート)はオスカー獲得ならず。今回日本関連の受賞はなかった。
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