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坂本龍一さん 死去

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世界に知られた音楽家

世界的な音楽家で「教授」のあだ名でも知られた坂本龍一さんが、3月28日に亡くなったことが2日に伝えられた。死因は明らかにされていないが、ここ半年はステージ4の癌による壮絶な闘病生活を送っていたとのこと。享年71歳。

坂本さんは14年に中咽頭がんと診断されたあと、一時休養しての治療で寛解。だが20年には直腸癌と診断され、「余命半年」と告げられた。手術は現発巣と肝臓2ヶ所、移転したリンパの腫瘍、さらに大腸を30㎝も切除。両肺に移転したがんを摘出するなど、1年で6回の手術を受けた。その後は通院して投薬治療を行なっていた。

そんな状況下でも昨年12月には事前収録したピアノコンサートを全世界へ配信するなど、衰弱しながらも最期まで音楽へ情熱を注いでいたという。

転機となった『戦場のメリークリスマス』

1952年1月生まれの東京都中野区出身。3歳でピアノを始めてクラシック音楽に親しみ、東京芸術大学作曲科を経て78年に高橋幸宏さん、細野晴臣さんの3人で『イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)』を結成。シンセサイザーを使った「テクノポップ」と呼ばれる斬新な音楽が国内外で評判を呼び、世界ツアーも成功させた。

YMO解散後は個人としても積極的に活動し、初めて映画に関わった『戦場のメリークリスマス』(83年、大島渚監督)が転機となった。ヨノイ大尉役の候補に挙がっていた三浦友和、沢田研二、滝田栄らと日程調整などで折り合わず、配役が難航。そこで白羽の矢を立てられたのが、坂本龍一さんである。

坂本さんはこのオファーを「音楽を任せて貰えるなら出演します」との条件で承諾。デヴィッド・ボーイ、ビートたけしらと共演したこの作品は、カンヌ国際映画祭でお披露目。パルムドールは逃したものの、坂本さんが手がけた音楽は英国アカデミー賞の作曲賞を受賞。主題歌の『Merry Christmas Mr. Lawrence』は今なおピアノで弾き継がれるスタンダード曲となった。

世界で活躍

『戦メリ』お披露目の映画際で訪れたカンヌで紹介されたのが、イタリアの巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督。坂本さんはベルトルッチ監督に請われて、『ラストエンペラー』(87年)の甘粕正彦大尉役で出演。撮影半年後に音楽の依頼を受け、2週間ほどで45曲を書き上げた。

『ラストエンペラー』は第60回米アカデミー賞の作品賞、監督賞など9部門を独占。坂本さんも映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ(『アンタッチャブル』の音楽でノミネート)らを退け、日本人初となるオリジナル作曲賞を受賞。またグラミー賞の映画音楽賞も獲得している。

ベルトルッチ監督とは計3作品でタッグを組み、『シェリタリングスカイ』(90年)ではゴールデングローブ賞の映画音楽賞などを受賞。その他にも『バベル』『レヴェナント 蘇りし者』(A・G・イニャリトウ監督)といった話題作の音楽を担当。最近も是枝裕和監督の新作『怪物』にピアノ曲2曲を提供するなど、音楽家としての終生をまっとうした。

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