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パオロ・タビアーニ監督 死去

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イタリアの兄弟監督

『父 パドーレ・パドローネ』『グッドモーニング・バビロン!』などの作品で知られるイタリアの映画監督兄弟、弟のパオロ・タビアーニさんが2月29日に、ローマ市内の病院で亡くなったことが伝えられた。

死因は明らかにされていないが、近年は闘病生活を送っていたという。享年92歳。

パオロさんは1931年11月生まれのトスカーナ地方のサン・ミニアート出身。兄のヴィットリオさんとは2つ違いだった。父親はアンチ・ファシズムの弁護士で、兄弟は音楽教育(パオロはヴァイオリン、ヴィットリオはピアノ)を受けて育ったという。

一家がピサに移住すると、兄弟は地元の高校・大学に通い、パオロは文学を、ヴィットリオは法律を専攻。だが48年にロベルト・ロッセリーニ監督の『戦火のかなた』を観て刺激を受けた二人は、大学を中退。ミラノでシネクラブの活動をしたあと、54年にローマに出てドキュメンタリー映画を撮った。

しばらくの間、他者との共同制作によるドキュメンタリー作品を発表し続け、67年には初めて兄弟だけによる監督作品『危険分子たち』を発表。74年の『アロンサンファン/気高い兄弟』はカンヌ国際映画祭で上映され、徐々に注目されるようになる。

77年、サルディーニャの羊飼いの息子から言語学者になったガヴィーノ・レッダの半生を描いた『父 パドーレ・パドローネ』がカンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞。その後も『サン★ロレンツォの夜』(82年)『カオス・シチリア物語』(84年)と話題作を発表し、世界に知られる監督兄弟となる。

87年、D・W・グリフィス監督『イントレランス』(1916年)の撮影現場を舞台にした『グッドモーニング・バビロン!』を発表。作品は日本でもヒットを記録し、話題となった。

二人の共同監督ぶりは、徹底した平等主義。兄弟で同じカメラを交互に覗き、映画を構築していったという。

2012年には『塀の中のジュリアス・シーザー』がベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞。18年には兄ヴィットリオが88歳で亡くなってしまうが、パオロさんはそのあとも一人で仕事を続け、22年の『遺灰は語る」が遺作となった。

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