アナザーストーリーズ「小室哲哉という“革命”」

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NHK BSプレミアムで放送された、アナザーストーリーズ運命の分岐点『小室哲哉という“革命”~メガヒット連発 その光と影』は90年代、音楽界に一大ブームを巻き起こした小室哲哉の成功と転落を描いたインタビュードキュメンタリーだ。

小室哲哉は短い期間で栄光と挫折を味わいその評価も毀誉褒貶相半ばするが、番組はそんな彼の実像を垣間見せてくれていた。90年代半ばに1人で作詞・作曲・編曲・プロデュースまで担当してヒット曲を連発するスーパーな存在だったが、当然そこには無理もあったようだ。

番組では小室哲哉の色々な面が語られる。シャイで真面目な性格・他人を気遣う優しさ・音楽やビジネスに対する貪欲さ・自己プロデュースと野心・不眠不休で働くワーカーホーリックぶり。そして平気で仕事仲間を切り捨てる非常さだ。

全盛期の小室哲哉は、何かに取り憑かれていたかのように働いていた。番組ではそうした狂気のようなエピソードも語られる。そんな時代に、小室哲哉の右腕と言われた久保こーじさんが語ったエピソードが印象的だった。小室は自分の天才ぶりを演出するため自宅で時間を掛けて作った曲を、あたかもスタジオに入ってから即興で作ったように見せかけたそうだ。おそらく本来の小室は小心者で、自分の虚像を作り上げることで人を従わせていたのだろう。

だが小室は急ぎ過ぎていたし、独占しようとし過ぎていた。90年代終盤、昔からのスタッフを含む小室ファミリーはその姿を変え衰退してゆく。globeのメンバーで親しい関係にあったマーク・パンサーによると、しだいに小室へものを言える人間が彼の元を去り、イエスマンの取り巻きだけになってしまったようだ。まさに一代で自分を膨らませすぎた人間が陥りやすい状況だ。

2000年代に入り宇多田ヒカルのような新しい才能が出現すると、才能が枯渇し、支える人間がいなくなった小室哲哉はあっという間に過去の人となる。経営の能力が無かった小室は事業に失敗し財産を失って、あげくの果てには詐欺事件まで起こして犯罪者になってしまうのだ。

小室から音楽の才能を取ってしまうと、心の弱い社会不適合な人間しか残らない。だがそんな小室に手を差し伸べたのは、かつて袂を別ったエイベックスの松浦社長だった。人間として欠陥の多い小室だが、音楽業界に残した大きな功績に救われたのだ。今年スキャンダルから小室哲哉は引退を宣言したが、彼の音楽が消えることはない。

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