「サッカーの園 ～究極のワンプレー～」クロス

2日連続放送のBS1『サッカーの園 ～究極のワンプレー～』、【ジャイアントキリング】に続いてのお題は【クロス】　サイド攻撃が主流の現代サッカーにおいて、最後の仕上げとなる花形プレーの神髄に迫る内容。

ゲストにはJ1歴代最多191得点を誇る大久保嘉人さんと、Jリーグ歴代最多220得点を誇る佐藤寿人さんの最強2トップが揃い踏み。そこにスタジオ初登場となるクロス職人の駒野友一さんが絡み、クロッサーの奥深さを語る。

最初のノミネートは、酒井宏樹（浦和レッズ）と酒井高徳（ヴィッセル神戸）のダブル酒井。ともに海外で長くプレーし、日本代表でも左右のサイドバックとして活躍したクロッサーだ。

酒井宏樹選手の特徴は、鋭くフック回転する高速クロス。そのFWに向かって曲がってくる高速クロスを受け続けたのが、柏レイソル時代の同僚、北嶋秀朗さん。2人の約束事は「ニアポストで待ち合わせよう」だったとのこと。

「酒井がボールを持ちそうだとなったら、これは来るぞと鼻息フガフガしていた」と興奮する北島さんが選ぶ「究極のワンプレー」が、11年6月の横浜Fマリノスと柏の試合。右サイドでボールを受けた宏樹選手が、ニアに飛び込む北嶋さんに高速クロスを送ってゴールをアシストした場面だ。

「低い位置からのクロスなのに、最後 自分に向かってきた。最高級のボール」と嬉しそうに語る北嶋さんでした。

もう一人の酒井、高徳選手の特徴は多彩なクロスパターン。トップスピードでピンポイントクロスを入れたかと思えば、グラウンダーからのアーリークロスも披露。さらにPエリア付近でボールを持てば、味方を使ってのコンビネーション。この多彩なプレーを可能にしているのが、左右の足から繰り出される精度の高いキックだ。

高徳選手の「究極のワンプレー」は、22年5月の神戸と鳥栖の試合。Pエリア左サイドでボールを受けると、右足で上げると見せかけて左足でチップキック。武藤嘉紀選手のゴールをアシストした場面。

豪の宏樹選手【高速クロス】と柔の高徳選手【アイデア豊かなクロス】が、1番目と2番目のエントリー。

続くノミネートは日本有数のクロス職人、駒野友一さん。【ワントップ】の回では前田遼一さんを「ベストパートナー」と語った駒野さんだが、今回は寿人さんとの名コンビぶりを紹介。

駒野さんの武器は、どんなFWにもピンポイントで合わせるクロス職人としての技術。広島時代にホットラインを組んだ寿人さんは、「どの位置からでも どのボールも蹴れる」「凄いんですよ、このきれいなキックフォーム」「キングじゃないですか」と駒野愛が止まらない。

その寿人さんが語る「3本の極上のクロス」の一つ目が、05年5月の新潟戦。駒野さんの低いクロスから広島移籍後初ゴールを決めた場面。

二つ目は同じ年の浦和戦。寿人さんの動き出しを見逃さなかった駒野さんが、DFやキーパーの反応できないところへ鋭いクロス。二人が呼吸を合わせてゴールが決まった場面。

三つ目は07年の磐田戦。Pエリア左前でボールを受けた駒野さんが、タイミングを合わせてからのピンポイントクロス。寿人さんのヘディングゴールをアシストした場面。

この【佐藤寿人を虜にしたクロス】が、3番目のエントリー。

「クイズの園」のコーナーからは、【Jリーグ初 クロスでアシスト】の片野坂知宏さんが4番目のエントリー。そして最後のノミネートとなったのが、J2町田セルビアの太田宏介選手。駒野さんがイチオシするクロスの名手だ。

太田選手の武器は、左足から放たれるや味方FWに向かってカーブするクロス。ゴール前で大きく弧を描くクロスは、威力満点。J1FC東京ではDFの選手（左SB）として初の2年連続二桁アシストを記録し、ベストイレブンにも2度選出された。

そのクロスの極意は、ボールの飛び出しをコントロールするおへその向きと、軸足での遠心力を利用したキック。バレエダンサーのような軽やかな回転が、太田選手独特のクロスを生んでいるのだ。

FC東京監督時代の都並敏史さんから、このクロス技を伝授されたという太田選手の「究極のワンプレー」が、17年3月の川崎戦。左サイドで相手DFと競いながら前へ出ると、その勢いを利用して大きく曲がるクロス。キーパーも惑わす軌道からゴールをアシストした場面だ。

この太田選手自身「完璧」と語る【バレリーナクロス】が、5番目のエントリー。

【究極のクロス】には、駒野友一さんが選出。そして最後MC柴田さんの「クロスとは？」の問いかけに、大久保さんは「あんなん適当に蹴ったらいいですよ」と回答。いや、それ言っちゃあオシマイだろ･･。