異色ヒーロー「デッド・プール」「キック・アス」

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マーベルの異色アンチ・ヒーロー『デッドプール』

今、アメリカ映画界ではマーベルの『アベンジャーズ』やDCの『ジャスティス・リーグ』などアメコミ・ヒーローの映画がヒットを続けているが、その中で異色のアンチ・ヒーローとして人気なのが『デッドプール』だ。一応『X-MEN』に連なるキャラだが、無責任でお喋りで下品なヒーローらしくないヒーローである。

主役のデッドプールを演じるのは、ライアン・レイノルズ。彼が以前に主役を務めたヒーロー映画『グリーン・ランタン』は記録的な大コケ映画として知られており『デッドプール』でも自虐ネタとして扱われている。

そのポップで自由奔放なキャラが皆に愛され2016年に制作された『デッドプール』は大ヒットし、今年続編となる『デッドプール2』が公開された。前作の儲けでスケールアップしているが、デッドプールの破天荒さと愛嬌は相変わらずで楽しい。でもあの日本人っぽい女の子が忽那汐里だったとは、最後まで気が付かなかったぞ。

バイオレンス・ヒーロー映画『キック・アス』

『デッドプール』も好きなのだが、もっとお気に入りの異色バイオレンス・ヒーロー映画が2010年公開の『キック・アス』だ。一応アメコミ原作だがヒーローがスーパー能力を持つわけではなく、普通の人間がコスチュームをまとい普通の武器で戦うという作品である。戦闘兵器として育てられた少女、ヒットガールが軽快なアクションで悪人を次々と倒してゆく姿が痛快だ。

そのヒットガールを演じたのは当時11歳のクロエ・グレース・モレッツ。可憐な少女とバイオレンスの組み合わせがこの映画の最大の魅力だが、一方で手足を切り離す描写が道徳的に問題ありと物議を醸している。

でもそれがこの作品の世界観であり、異色のヒーロ物たるゆえんだ。嫌う人もいるだろうが作りはポップだし、あくまでもコミックの様式として見れば特に凄惨さは感じない。

アーロン・ジョンソン演じるキック・アスは憧れからヒーロー的振る舞いをするが、そこには危険と痛みと責任が伴うことを悟る。そしてヒットガールも、ヒーローたることで大きな代償を払うことになる。

そんな普通の高校生と戦闘力の高い少女という組み合わせが面白く、傷ついた二人がやがて理解し助け合うという流れが上手い。最後の盛り上がりも凄いし、カタルシスもしっかり用意されている快作だ。

だが続編の『キック・アス / ジャスティス・フォーエバー』では主役のキック・アスが普通に格好良くなってつまらない。クロエも成長しすぎたのが痛いが、彼女のキャラも多少ブレ気味だ。下痢ゲロ棒というお下劣アイテムはちょっと面白かったけどね。ということで2作目は失敗し、シリーズが打ち切りになったのは残念だ。

ブラック・コメディのヒーロー『スーパー!』

『キック・アス』とよく比較されるのが、同じ年に公開された『スーパー!』だ。ただこれはヒーロー映画というより、ブラック・コメディである。見た目の冴えないおっさんが主役で、雑なコスチュームをまとい配管用レンチを手に“クリムゾンボルト”と名乗っている。

このおっさんがヒーローになろうとした動機は、嫁を寝取られた復讐という情けなさだ。高い戦闘力があるわけでもないので『デッドプール』や『キック・アス』のようなヒーローらしいアクションシーンもない。しかし低予算映画ではあるが、ラストは衝撃的で結構見応えがある。ちょっとアクの強いコメディで、容赦ない描写が暴力の痛さを感じさせてくれる。

狂気に取り憑かれた思い込みヒーローという点は『タクシードライバー』でロバート・デ・ニーロの演じたトラビスを彷彿とさせないでもない。と言ってもこの映画の主役にデ・ニーロのようなカリスマ性はないが。それでも正義やヒーロに対する皮肉っぽい描き方は、ユニークでそれなりに深い。バイオレンスに抵抗がない人は、見ても損はない映画だと思う。

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