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「R-1グランプリ2022」ZAZYの敗北

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シンプルで見やすくなった「R-1グランプリ」

審査員評を省略するなど、慌ただしい進行で批判を浴びた去年の「R-1グランプリ2021」。今年の「R-1グランプリ2022」は、その反省を踏まえシンプルな構成で放送された。

視聴率獲得に苦戦し2時間枠しか取れないR-1だが、それで余計な要素がそぎ落とされたのはもっけの幸い。3分というネタ時間でテンポも良くなり、今回は観る方もより笑いに集中できたと思う。

審査は前回までの投票形式から、M-1やキング・オブ・コントと同じ採点方式に変更。そのためツイッター投票という不要なモノがなくなり、スッキリしたのは好印象。今回あっさり発表された敗者復活も、もう来年は廃止でいいんじゃないの。

何年か前にあった かさ増ししたような笑い声もなく、本来のコンテストとしての姿が復活。賞レース番組に こざかしい演出など邪魔で、「芸人の真剣勝負」を見せることこそ最大のエンターテインメントだと実感した次第だ。

去年と同じく霜降り明星と広瀬アリスが司会を担当。審査員は陣内智則、バカリズム、小籔千豊、クリスタル野田、ハリウッドザコシショウの5人。小薮は「全員をボロカスに言います」と宣言しながらも、意外と優しい採点と寸評で肩すかし。それを補ったのがバカリズム。皆より5点くらい厳しめの採点と、フラットな寸評で大会を引き締めた。

ファーストステージ敗退の演者たち

まずはファーストステージで敗退した演者の感想から。トップバッターは2年連続出場の〈kento fukaya〉。大がかりな仕掛けで楽しませるも、芸人としての個性は埋没してしまった印象。

ツギクル芸人グランプリ2021」準優勝の〈Yes!アキト〉は、いつものギャグ連発芸を披露。これが1分ネタなら最高にオモシロイのだが、3分間続くとちょっとツライ。

〈Yes!アキト〉とユニットを組む〈サツマカワRPG〉は、「大会近いもんな」のフレーズで笑わせるコントで勝負。それなりに笑わせたが、最後に失速したのは残念。

去年最下位になってしまった〈寺田寛明〉。独自の視点によるフリップ芸で笑いを誘うが、メガネの奥の死んだような目と、ネタ中 観客にそっぽを向いているような陰キャラがマイナス点。

大接戦の2位争い

ファーストステージは3人が同点で2位に並ぶという大接戦。審査員投票の結果、3票を獲得した〈お見送り芸人しんいち〉が〈金の国・渡辺おにぎり〉と〈吉住〉をかわし、ファイナルステージ進出となった。

「ツギクル芸人グランプリ2021」優勝の〈金の国・渡辺おにぎり〉は、人間味と演技力では今大会一番の存在。しかし今回はもうひとつネタの爆発力に欠け、審査員0票でファーストステージ敗退。それでもポテンシャルの高さを見せ、次回は期待が持てそう。

賞レースの常連となった〈吉住〉は、狂気とメルヘンを表裏にしたいつもの憑依コントを展開。安定した面白さで小薮の高評価を得るも、2票で惜しくもファイナルステージを逃す。

勝者と敗者の構図

ファイナルは、ファーストステージ1位で前回準優勝の〈ZAZY〉と〈お見送り芸人しんいち〉の一騎打ち。去年の失態の汚名返上を狙う〈ZAZY〉は、アナログからデジタルへとバージョンアップした紙芝居ネタで気合いの取り組み。進化したリズムの心地よさと、ナンセンスを爆発させた可笑しさで会場の爆笑をとった。

一方の〈お見送り芸人しんいち〉は、観客の耳をくすぐる皮肉のセンスが秀逸。コンプライアンスぎりぎりの毒味で、会場と視聴者のお笑い感覚を刺激した。

そして審査員の投票により、3票を獲得した〈お見送り芸人しんいち〉が第20代のR-1チャンピオンに決定。去年の雪辱を期す〈ZAZY〉は気負いすぎたのか、ネタの最後にワチャワチャしてしまったのが裏目となった様子。シンプルに実力を見せた〈お見送り芸人しんいち〉に及ばなかった。

優勝が決まった瞬間、顔をゆがめてしゃがみ込む二人。ここだけ見たら、どっちがチャンピオンでどっちが敗者か分からないという不思議な現象が発生する。

このあと悲痛な表情でたたずむ〈ZAZY〉の姿は、まるで去年のデジャブ。でも紙吹雪がメガネにくっつくという天啓で、画のオモシロ度は格段にアップした模様。

惜敗した〈ZAZY〉は、ラストイヤーの結果に「もう一年でたい」の絞り出すひと言。感涙にむせぶ〈お見送り芸人しんいち〉と、打ちひしがれる〈ZAZY〉というこれ以上ない劇的な対照構図で、番組は最高のエンディングを迎えたのでした。

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