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崔洋一監督 死去

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ぼうこう癌との闘い

映画『月はどっちに出ている』『血と骨』などの作品で知られ、監督協会理事長も務めた崔洋一(さいよういち=チェ・ヤンイル)さんが27日午前1時、ぼうこう癌のため東京都内の病院で死去した。

崔さんは19年に「尿がでない」と体調の異変を訴え、病院の検査を受けてぼうこう癌と診断。翌20年には別の大学病院で16時間にわたる大手術(患部を摘出し、小腸を切って代用させる処置)を受けるも、1年後の検査では複数他部位への移転が確認された。

その後は抗癌剤治療のために入退院を繰り返していたが、10月上旬には在宅治療に切り替え。当初は次回作に意欲を見せるも、徐々に体力が落ち、ここ数日間は危篤状態となっていた。そして最期は家族に見守られて静かに息を引き取ったという。享年73歳。

武闘派の監督

崔洋一さんは1949(昭和24)年生まれの長野県佐久市出身、在日朝鮮人の父と日本人の母の家庭で育った。3歳のときに東京へ引っ越し、東京朝鮮中高級学校で学生時代を過ごす。

高校のときは近所の不良に絡まれ、ケンカに明け暮れる毎日。この頃は特に映画への興味を持っていた訳ではないとのこと。高校卒業後は写真専門学校に進むが、学生運動にのめり込み中退。照明助手として映画界入りし、小道具を経て演出部に転身。助監督として大島渚、若松孝二、村川透らに付き、エネルギッシュに現場を駆け回った。

その後数本のテレビドラマを演出し、83年には『十階のモスキート』(内田裕也主演)で映画監督デビュー。当作品が角川春樹の目に止まり、角川製作の娯楽映画を相次いで手がける。この頃の作品は大人しいものだったが、焼肉屋で大男の長谷川和彦監督と大立まわりを演じるなど、武闘派として鳴らした。

93年には『月はどっちに出ている』(岸谷五朗、ルビー・モレノ主演)を監督。在日コリアンとフィリピン女性の恋愛を軸とした物語が高評価を受け、国内の各賞を総なめにする。

99年には大島渚監督の遺作となった『御法度』に近藤勇役で出演。土方歳三を演じたビートたけしとの共演で話題を集めた。04年にはそのビートたけし主演による『血と骨』を発表。骨太のドラマが注目を浴び、再び映画賞を賑わせている。

同年は監督協会の第8代理事長に就任。その一方でテレビ情報番組の論客としても活躍した。闘病中の今年4月には、親交の深かった松田優作さんの没後30年を記念して製作された特別プログラムの上映イベントに出席。7日連続でトークショーを行なうなど、元気な姿を見せていたという。

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