「ASAYAN」とモーニング娘。

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テレビ東京『ASAYAN』は当時唯一のオーディション番組だったが、話題を呼んでいたのはオーディション応募者の姿を追ったドキュメンタリー風なVTRコーナ-だった。

何組かのボーカリストや音楽グループが番組からデビューしていったが、一時的な話題に終わってしまう現象が続き、オーディション番組としての価値には疑問符が付いていた。

そんな時、転機となった企画が “シャ乱Q 女性ロックボーカリスト・オーディション” である。

プロデューサー つんく

このオーディションは “モーニング娘。” を誕生させた企画となり、プロデューサー つんくだけの印象が強かったが、調べてみると元々はシャ乱Qがグループとして合格者を決めるという形式だったようだ。だがこの時の動画を見直すとやはり つんくが一番目立っており、彼が中心となって選考が行なわれている。

それと、つんくが最初からプロデューサー的な思考で審査していることも窺われて興味深い。彼は候補者たちを歌唱力やルックスだけではなく、プロとして魅せる個性があるかという点も注意深く見極めようとしているのだ。

オーディションが進み最終候補者たちの合宿も行なわれる中、例によってカメラが彼女たちを密着して追ってゆくのだが、その様子は今見ても面白い。何週にも渡って彼女たちを追いかけてゆくうちに、それぞれの個性がはっきりすると視聴者は応援したくなってくるのだ。

飛び抜けたアイドル性を漂わせていた安倍なつみが最有力と思えたが、シャ乱Qに選ばれたのは力強い歌声を持つ平家みちよだった。伸びしろの高さも買われての選出だったが、ハロプロのファンならご存じのように彼女はその後モー娘の陰に隠れた悲劇のボーカリストとなってしまう。

オーディション終了後すぐに落選者の安倍なつみら5人が集められ、彼女たちのデビュー企画が始まる。ナレーションではいつものように「衝撃的展開」と煽っていたが、この番組は以前も同じような手法を繰り返しており、予想されたお約束的展開だった。

“モーニング娘。” メジャー・デビューまでのドキュメント

つんくによって “モーニング娘。” と名付けられた彼女たちはまずインディーズでCDを出す。売り上げ目標を達成しなければメジャーデビュー出来ない、という課題を与えられると、その様子を追ったドキュメント風VTRは作り手の思惑通り話題を集める。

目標は高く設定され、結果によっては使い捨てにされる可能性もあったが、彼女たちは課題をクリアしモーニング娘。は、メジャーデビューを果たすことになった。

いつもの『ASAYAN』であればここで区切りをつけ次の企画に移っていただろう。そうなればモーニング娘。も過去の例に漏れず、いっときの話題で終わっていたかもしれない。そうさせなかったのはモーニング娘。のメジャーデビューにも係わることになった つんくの力だった。

つんくは “モーニング娘。”のメジャーデビューにあたり『ASAYAN』の売りであるドキュメントVTRを上手く利用している。自らがかき回し役となり波乱を起こして予想も出来ない展開にすることで、この番組が好む「衝撃的展開」や「大事件勃発」といったフレーズを連発させて視聴者の好奇心を駆り立てているのだ。

次々に話題を提供することで『ASAYAN』も彼女たちを追いかけ続けざるを得ず、視聴者の期待値も高まってゆく。

『LOVEマシーン』の大ヒット

いつもならこの番組でデビューしたボーカリストも、その話題性は時間とともに尻つぼみになっていくのが恒例だった。しかし “モーニング娘。” は つんくの見せ方の巧さもあり、徐々に人気が高まっていくことになる。つんくのプロデュース感覚の鋭さが成功を呼び込んだのだ。

『ASAYAN』はすっかり “モーニング娘。” の追っかけ番組となると、突発的だったと思えるメンバー脱退と新メンバー加入が行なわれ、入れ替え制もグループの話題つくりのひとつとなる。

そして『LOVEマシーン』の大ヒットによって “モーニング娘。” は大人気アイドルとなり、今に続くグループとなっている。そして つんくは新しい形のプロデューサーとして注目されるようになった。

“モーニング娘。” が引き金となったのかどうか分からないが、このあとアイドル鈴木あみやCHEMISTRYなどの人気アーティスト、池脇千鶴といった女優も現れて『ASAYAN』はようやくメジャーなオーディション番組として認知されるようになったのである。

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