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「サッカーの園 ~究極のワンプレー~ 」フリーキック

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究極のフリーキック

NHK BS1「サッカーの園 ~究極のワンプレー~ 」。今回のテーマは【フリーキック】、MCの前園、進行のアンタ柴田、ゲスト名波の3人が必殺技の極意を語る。

番組でエントリーされたフリーキックの名手は、遠藤保仁、中村俊輔、名波浩、三浦淳宏(現、淳寛)、天野純の5人。天野選手はよく知らないが、その他はレジェンド級の名手が揃った今回の企画だ。

まず最初の登場は、J1最多出場記録を更新中の「鉄人」遠藤保仁。遠藤選手と言えば、2010年Wカップ・南アフリカ大会の対デンマーク戦で見せたフリーキックが印象深い。

遠藤保仁のフリーキック

大舞台でもあまりプレッシャーを感じて蹴ったたことがないという遠藤選手。「FK成功の確率は2割越えたらいいぐらい」、と彼らしいマイペースな思考が頼もしい。その力を入れすぎない姿勢が、一線級で長持ちする秘訣なのかもね。

あのタイミングを外すコロコロPKなど、相手の動きを見抜く洞察力が持ち味の遠藤選手。しかしFKの場合は全てを決めてから蹴るそうで、その極意は「基本に忠実であれ」だ。25m先に置いたボールやペットボトルをめがけ、正確に当てていくという地道な練習を繰り返し、技を磨いていったということだ。

「FKは練習すれば誰でもうまくなる。ただ皆がしないだけ」と断言する遠藤選手。だけとやっぱり、先天的な資質も関係あると思うぞ。いくら繰り返しやっても上手くならない奴もいるだろうし、そしたら練習だって続かないもんね。

その遠藤自身が語る “究極のフリーキック” は06年の試合、対サンフレッチェ広島戦での一発。ゴール前25mのほぼ中央から遠藤が放ったキックは、完璧なコントロールで広島の壁を越えポストに当たりゴールイン。反対側に重心を置いていたGK下田崇は一歩も反応出来ず、鋭い回転で叩き込んだ会心のフリーキックだ。

中村俊輔のフリーキック

次のエントリーは、まさに名手の中村俊輔選手。セルティック時代の06年、欧州チャンピオンズ・リーグでマンチェスター・ユナイテッドのGKファン デル・サール相手に決めた2試合2本のフリーキックはつとに有名。世界の歴代フリーキッカーでもジーコ、マラドーナに続く5位にランキングされるというレジェンド級の達人だ。

「フォームがかっこいい。世界でもトップレベル」と中村選手のFKを熱く語るのは、横浜マリノスと代表でチームメイトだった中澤佑二。中村選手で特徴的なのが、身体のひねりを思いっきり使った独特のフォーム。普通の人なら捻挫しかねないほど折れる足首の柔軟性と、身体の回転を支える強靱な内転筋。これが中村選手の強烈なFKを生み出している。

これまたマリノスと代表で長く一緒にプレーした川口能活は、ストイックな守護神でさえ感心する練習量の豊富さと、状況を想定して蹴るという練習内容の濃さを証言。こうした中村選手のFKに対する貪欲な姿勢が、飛び抜けた決定力の高さとなって現れているのだ。

遠藤選手とは違い、駆け引きと状況判断で、時には助走の途中で蹴るキックを変える中村選手。名波は「助走の途中でキックを変えるなんて無理」、前園は「力を伝えるボールの蹴り方が、自分にはイメージが湧かない」と驚きを隠せない様子だ。

そして中澤が選んだ “究極のフリーキック” は、16年の対アビスパ福岡戦、ペナルティーエリア近くの右サイドから放った判断力の光る一発。中央に向かって蹴り出したボールは、強烈なスピンがかかってニアサイドの上隅へ。中央でセンタリングを待つマリノス選手を警戒していたキーパーが、予想外の狙いに反応しきれなかったという鮮やかなプレーである。

冷静な判断と、遠心力を使った強烈なスピン。これこそが中村俊輔選手が放つFKの真骨頂だ。

名波浩のフリーキック

3番目に登場する名手が、今回のゲストでもある名波浩。特に印象に残るのが、99年の対ライバル鹿島アントラーズ戦、ファーサイドのポストに当てて決めたFK。だが名波自らが選んだ “究極のフリーキック” は、05年対川崎フロンターレ戦のロスタイムで放った一発。

ゴール前約20mのほぼ中央から左足で蹴られたボールが、ゴール右上ギリギリに飛び込む鮮やかなプレー。実はこれが名波の現役生活最後のFK、分かっていても取れないピンポイントのコースへ、完璧にコントロールして決めてみせたゴールだ。

この場面、名波は最初に右上コースへ焦点を合わせ、5秒間でボールの軌道をイメージ。そしてあとは左側に顔を向けたまま、最初に焼き付けた残像を狙い撃ってキック、相手を見事に欺いてゴールが決まった。たとえターゲットを見なくてもブレることはないという、名波の技術とイマジネーションの高さを現わすFKである。

三浦淳宏のフリーキック

4番目にエントリーされたのが、無回転のブレ球フリーキックを得意とする三浦淳宏。J1とJ2を合わせたJリーグ通算23本のFK成功は、中村俊輔の24本に続く記録。まさにJリーグの歴史に残るフリーキッカーだ。

とにかく三浦淳宏のFKは強烈の一言。低い弾道の無回転シュートが、右に左にブレながらゴールに突き刺さっていく様は、キーパーにとって脅威と言うほかない。実は地面をダフるというミスから生まれた無回転キック、その後練習と研究を積み重ね、三浦選手の代名詞となっていった。

彼の現役時代に撮ったという、ハイスピードカメラによる真正面からのFK検証映像を紹介。まるで見えない糸に引っ張られたかのように、ボールの軌道が突然変化、無回転キックの凄さが分かる映像である。そのコツは、足の甲が反り返るぐらいのイメージで撃つことが重要だと三浦さんは語る。

そして三浦さん自身が選んだ “究極のフリーキック” は、06年のJ2サガン鳥栖戦での一発。ゴールまでの距離は約35m、激しく揺れながら落ちるボールにキーパーは一歩も動けず、ただただ見送るだけ。三浦さんが「人生で最高のフリーキック」と自賛する一撃だ。

天野純のフリーキック

そして記憶に残るFKとしてエドゥーの長距離キックや、岩本輝雄の地を這う弾丸シュートなどが紹介されたあと、最後5人目のエントリーで「現役選手でも大注目のキッカーがいる」と取り上げられたのが、横浜マリノスの天野純選手。いや、遠藤選手と中村選手も現役なんですけど。

かつて一緒にプレーした中村俊輔のプレーを見て学んだという天野選手、ボールを蹴るフォームはうり二つだ。体幹を鍛えてつくり出した彼のFKは、力を乗せて撃つボールの速さと小気味の良い滑りが特徴である。

ということで5人のエントリーが終了。そして前園が選んだ今回のグランプリは、やっぱり中村俊輔選手。まあ、技術、駆け引き、実績、印象度、どれをとっても中村選手が頭一つ抜けている感じで当然だよね。

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